【正論】 平和を破壊する憲法九条二項 なぜかくも長く放置されたのか 埼玉大学名誉教授・長谷川三千子


2017.4.20 13:01更新
【正論】
平和を破壊する憲法九条二項 なぜかくも長く放置されたのか 埼玉大学名誉教授・長谷川三千子

http://www.sankei.com/column/news/170420/clm1704200006-n1.html

≪改正が行われない不思議≫
 日本国憲法が施行されて70年がたとうとしていますが、その間、憲法改正は一度もなく、その意味でわが国の現行憲法は世界で一番の長寿憲法となっています。
 しかし考えてみると、これは大変不思議なことなのです。確かにその前の大日本帝国憲法も明治22年の発布以来60年近くの間、一度も改正されていません。ただし当時は改正論議そのものが起きなかったのです。
 これに対して現行憲法の場合はすでに昭和30年、初の自民党政権が発足したとき、第一の目標として「憲法の改正」が掲げられています。それ以来、憲法改正が党是からはずされたことはなく、また自民党は3年ほどの例外的な時期を除いて、ほとんど常に与党となってきました。つまり、戦後ほぼ一貫して政権の場にあった政党が憲法改正を掲げてきたにも関わらず、憲法改正は一度も行われていないのです。実に不思議なことと言うべきでしょう。
 確かに現行憲法の改正要件が厳しすぎるというのは、よく言われる通りです。しかし同程度に改正要件が厳しいにも関わらず、憲法改正をしている国々もあって、これだけが原因とは思われません。
 もう一つ言われるのは、わが国では平和を希求する国民の願いが深く根付いていて、九条を改正しようとする政権に強く反対し続けてきたからだ、という見解です。
 ≪平和を破壊する九条二項≫
 しかし、日本国憲法第九条が平和条項だというのは、一項についてのみ言えることであって、二項は全く平和条項ではないのです。
 九条一項は、自衛戦争は許されるが侵略戦争は禁じられる、という不戦条約の原則を踏襲した、ごくまっとうな国際基準の平和条項です。ところが、九条二項は次のように定めているのです-「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」。
 もしこれを文言通りに遵守したとすると、「前項」に言う「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」すること(たとえば国連平和維持活動で活躍すること)はもちろん、自衛ということが一切不可能となります。それ以前に、これは日本全体を完全な軍事空白地域にしてしまう。国際平和にとってこれほど危険なことはありません。
 世界全体の目指すべき非武装目標として語るのならともかく、これを一国の憲法規定として書き込んだなら、九条二項は平和破壊条項となりかねないのです。
 さらに深刻なのは、これが近代成文憲法の根本概念である「主権」というものを成り立たなくしてしまうということです。「主権」とは、一つの国が独立国家として領土を保全し、自国の政治を行う権利のことですが、もともとこれはヨーロッパで「最高の力」という意味の言葉でした。すなわち、自国の独立を守る「力」に支えられてはじめて、この「主権」という言葉は有効となるのです。
 わが国の憲法の第一原理とされている「国民主権」は、国の内側で政治を決定する権限が国民にあること、とされています。しかしこれも、国家が主権を維持し、独立を保っているからこそ可能な原理なのです。九条二項を条文通りに守ると、国家の力はゼロになりますから、事実上わが国の主権は消失することになります。つまり九条二項はわが国の憲法原理「国民主権」を不可能にしてしまうのです。
 ≪なぜかくも長く放置されたのか≫
 こうしてみてくると、九条二項の改正は、イデオロギーや思想の問題ではなく、ただ端的に欠陥条項を改正するという問題であることが分かります。平和と民主主義を望む人なら超党派で改正を願うはずのところです。いったいなぜそれがかくも長きにわたって放置されてきたのか? 謎はますます深まります。
 おそらくそれは、この欠陥条項が、表面からは見えない、憲法全体のもう一つの欠陥と深く結びついているからだと思われます。
 誰もが知る通り、日本国憲法は日本が戦争に負けて完全に主権を失った時期に、占領者によって作られています。近代成文憲法では、それが誰の主権のもとで作られたかが重大な意味を持つので、日本国憲法が日本を占領中の連合国軍総司令官の「最高の力」のもとで作られたというのは、それ自体がスキャンダルにほかならない。いわゆる〈日本国憲法無効論〉が主張される所以(ゆえん)です。
 けれども、もしその無効論を貫くと、現行憲法のもとに作られた全ての法律、行政システムが現国会もろとも丸ごと無効になってしまう。悪夢の大混乱に陥ります。それが怖いからこそ、誰もが無意識のうちにこの欠陥条項から目を背けてきたのだと思われます。
 しかし70年たった今、われわれは逆上することなく、冷静にこのスキャンダルをスキャンダルとして眺めることができるはずです。そしてその置き土産である欠陥条項を改正しうるはずなのです。(埼玉大学名誉教授・長谷川三千子 はせがわ みちこ)

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【主張】 拉致被害者の救出 最重要課題に他ならない



国家にとって、領土、国民、主権は存続に関しての最大の問題である。
北朝鮮と言う国家が、この事態に直面して、拉致被害者を交渉の議題に挙げる神経を
真っ先に疑う。被害者たちは、「なにもかにも失った」と、嘆いているのである。
残酷な北朝鮮当事者を恨む。率直な日本国民の感想である。


2017.4.19 05:02更新
【主張】
拉致被害者の救出 最重要課題に他ならない

http://www.sankei.com/column/news/170419/clm1704190002-n1.html

「拉致については誰も関心がない」
 北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使は平壌で一部日本メディアと会見し、こう言い放ったという。
 拉致被害者の家族は、一日たりと北朝鮮にさらわれた肉親のことを考えぬ日はない。加害国の、これほど残酷な言葉があるだろうか。
 今年は、横田めぐみさんが北朝鮮の工作員に拉致されて40年となる。拉致被害者家族連絡会の結成から20年がたった。拉致は北朝鮮が日本の主権と日本人の人権を侵害し続けている国家テロである。非は全面的に北朝鮮にある。
 宋氏は、北朝鮮が日本人拉致被害者の再調査を約束した2014年のストックホルム合意を、日本側が破棄したとも述べた。
 嘘である。独裁者のために全てが存在するような北朝鮮とは異なり、日本は国民の生命、人権を尊重する国だ。拉致問題の解決につながる合意を政府が反故(ほご)にすることはあり得ない。
 発言を受けて岸田文雄外相が「全く受け入れることはできない」と反発し、加藤勝信拉致問題担当相が「わが国として拉致問題の解決は最重要課題であり、ストックホルム合意の履行をしっかり求める姿勢に何ら変わりはない」と述べたのは当然である。
 国際社会も、拉致問題を忘れてなどいない。国連人権理事会は3月、拉致を含む人権侵害を終わらせるよう求める対北朝鮮決議を採択した。先進7カ国(G7)外相会合も4月の声明で、核・ミサイル開発とともに拉致を含む人権、人道上の懸念に言及した。
 宋氏は、朝鮮半島有事の際には「日本に一番被害が及ぶ」と威嚇する一方で、「人道問題として残留日本人問題に取り組む用意がある」と呼びかけ、日本政府が対北朝鮮制裁を解除すれば「政策変更のメッセージとして受け止める」とも述べた。
 しかし日本は、拉致と核・ミサイル開発を容認しない。安倍晋三首相は「拉致問題の解決なしに、北朝鮮は未来を描くことができない」と繰り返し述べてきた。
 北朝鮮の強気の言動は、苦境にあるがゆえの悲鳴とも聞こえる。来日したペンス米副大統領は安倍首相と会談し、拉致を含む北朝鮮問題での連携を確認した。事態を打開するため、圧力をかけ続けるべきだ。

米空母打撃群が朝鮮半島へ



巷には、第二時朝鮮戦争の勃発と言う話が、しきりである。
この時点で、日本が担い得る役割を考えるべきである。


2017.4.9 10:02更新
米空母打撃群が朝鮮半島へ
http://www.sankei.com/world/news/170409/wor1704090012-n1.html

【ワシントン=加納宏幸】米太平洋軍のハリス司令官は8日、寄港先のシンガポールからオーストラリアに向かっていた原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群に対し、北上を命じた。米海軍第3艦隊(米カリフォルニア州サンディエゴ)が発表した。朝鮮半島周辺で活動し、核開発・ミサイル開発を続ける北朝鮮の挑発に備える狙いがある。
 ミサイル駆逐艦2隻とミサイル巡洋艦1隻が含まれ、北朝鮮によるさらなる弾道ミサイル発射に対応する。海軍は「空母打撃群はオーストラリアへの寄港をとりやめ、西太平洋で第3艦隊の作戦統制下に置かれる」としている。
 第1空母打撃群は1月に母港のサンディエゴを出港し、西太平洋に展開。南シナ海で活動し、海上自衛隊と東シナ海で共同訓練を実施。韓国や周辺海域での米韓両軍による定例の合同野外機動訓練にも参加し、オーストラリアへの訪問を予定していた。
 これに関連し、トランプ米大統領は8日、韓国の黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行と電話会談し、米韓同盟の強固さを再確認するとともに、北朝鮮情勢をめぐり緊密に連絡を取り合うことで一致した。




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