憲法9条改正を阻む「穢れ忌避・言霊・怨霊信仰」 井沢元彦氏が講演


2015.12.12 08:49更新
【和歌山「正論」懇話会・詳報】
憲法9条改正を阻む「穢れ忌避・言霊・怨霊信仰」 井沢元彦氏が講演
http://www.sankei.com/west/news/151212/wst1512120041-n1.html

井沢元彦

講演する井沢元彦氏=和歌山市
 和歌山市内で8日に開かれた和歌山「正論」懇話会の第82回講演会。講師を務めた作家で種智院大客員教授の井沢元彦氏は「なぜ憲法改正ができないのか」をテーマに、日本人が古くから持つ宗教観などについて解説した。
 講演要旨は次の通り。
 憲法9条改正ができないのは歴史的な要因が大きい。反対する心情は長く続いた日本民族の歴史、あるいは心理に根ざしている。一言でいえば神道だが、その基本は何か。それが憲法にも繋がってくる。
 日本国憲法の、特に9条改正を阻む歴史的要因は3つあり、1つ目は「穢(けが)れ忌避」。2つ目は「言霊」、3つ目は「怨霊信仰」である。
 穢れは、日本民族が昔から抱いている独特の感覚で、最たるものは「死による穢れ」だ。
  平安時代以降、天皇家の権威が確立すると、誰も天皇の座を奪おうなんて考えなくなった。そうすると、穢れを嫌う天皇家は軍事と警察業務から一切手を引いて しまい、貴族もそれに習った。死の穢れに満ちているから軍隊なんていらないということ。その結果、夜盗強盗のオンパレードとなった。そして自分の生命財産 は自分で守るしかないと「侍」が生まれた。
穢れが諸悪の根源であるというのが神道の基本的考え方。日本は、必要に迫られたときは侍文化が強いが、いざ平和になると軍隊があるから世の中が良くならないという発想が出てくる。これが軍隊を持つことの障害となる。
  言葉に霊力があるとされる「言霊」も、憲法9条を唱えれば外国から侵略されないという考えに繋がる。いかに日本国憲法が「われわれは平和を守る」「軍隊を 持たない」と宣言しても、外国の侵略者は日本の憲法を守る義務はない。にもかかわらず、日本人には「憲法さえ守れば平和になる」という人がいる。それは言 霊の影響がある。
 そして死者を恐れる「怨霊信仰」。怨霊の考え方があるから「死者の犠牲を無駄にしてはいけない」と考える。第二次世界大 戦に突入したときの東条英機の論理は「日本が満州国を建国するに当たっていったい何万人が死んだと思っているのだ」。これにはなかなか勝てず、「それより 今生きている人間が大切」という考え方にはならない。その結果、多くの日本人が戦争で死んだ。すると、その犠牲を無駄にできないため、今度は「尊い犠牲の 上に憲法があるから変えることは絶対に許されない」となる。
 憲法改正に反対している人は「人権を守れ」と言う。昔は、彼らの論理は「軍隊なんていらない。だから憲法を変えてはならない」だった。しかし、護 憲派でも今、軍隊の必要性は認めている。必要性を認めつつ憲法9条を変えてはいけないと言う。これは(自衛隊に対して)「働け。だけど絶対にわが家の一員 としては認めない」ということ。憲法が軍隊を持つことを否定しているということは、9条がある限り自衛官は軍人としての尊厳や地位、権利は一切認められな い。これは平安貴族が武士に抱いた差別感と同じ。
 また、日本の憲法は世界に嘘をついているということにもなる。まともに9条を読んだら、 日本にはレーダーや戦闘機など、何もないはず。しかし実際にはある。「軍隊があるじゃないか」「いや、自衛隊です」。これは大嘘だ。しかし、それを良しと するのが日本の言霊文化。言葉でごまかせばよいというのが、残念ながらわれわれの中にある。それを指摘する必要があるのではないか。
 ◇
 和歌山「正論」懇話会に関する問い合わせは、同会事務局((電)073・427・1815)へ。

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