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9条改憲より優先課題ある=自民・石破氏


この2日間で何があったのだろう?

見る所、石破茂案は自民党内で評価の対象外となった。

封印とは、政治的敗北を意味する。その意志を他の国会議員に及ぼす事は、

石破茂氏の主張は、護憲派的立場から為されたと理解すべきである。
自民党内の護憲派勢力が敗北したと宣言するに等しい。

9条改憲より優先課題ある=自民・石破氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018040600864&g=pol

自民党の石破茂元幹事長は6日、東京都内での講演で、憲法9条改正について「私の政治家であることの存在証明みたいなことだが、その前にやらなければいけないことはいっぱいある」と強調した。石破氏は「燃料、弾薬、食糧、人員が十分ないと専守防衛は成り立たない」と述べ、防衛力整備などを優先すべきだと主張した。(2018/04/06-16:07)


「石破茂」が吼えた! 「“安倍加憲案”は禍根を残す」
政治週刊新潮 2018年4月5日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/04090557/?all=1&page=1

 自民党は何かを決定するとき、拍手で決めることが多い。「そろそろ意見も出そろいましたので、ここらで一任するべきじゃないですか」という声が出て、すかさず賛成派から一斉に拍手が起きる。今回、改憲案が細田本部長(博之・憲法改正推進本部長)に一任されたのも、まさにこれでした。
 しかし、改憲という戦後の一大事業まで、拍手で済ませていいのでしょうか。私に言わせれば、大事な憲法改正なのに、意見の異なる者同士の激しいやり取りがなかったのはおかしい。党内での議論は、ほとんどなかったのです。だから、本部長一任には、納得できませんでした。
 安倍総裁としては、先日行なわれた党大会までに改憲案をまとめたかったのでしょう。そうしないと、森友学園の文書改ざん問題で求心力が落ちたとマスコミに叩かれかねない。本部長一任を急いだのは、そういうことだったと言われても仕方ないのではないか。
〈3月22日、自民党の憲法改正推進本部は改憲案の取りまとめを細田博之本部長に一任することを決めた。急な決議に何人かの議員は「ちょっと待った!」と抗議の声をあげたが、すぐに「一任!」の声とともに拍手でかき消されてしまう。細田氏が進めようとしているのは、憲法に「9条の2」を新設し、自衛隊を明記するというものだ。だが、石破氏はこれこそが矛盾だと吼える。〉
 ご存じのように、今回の改憲案は昨年5月、安倍総裁が突如「現行の憲法9条はそのままに、自衛隊の存在を書き加える」という「加憲」案を読売新聞で示したことから始まります。しかし、あの記事以前に自民党内で「加憲」が議論されたことは全くなかった。私は当時の保岡興治本部長に「総裁は党員に詳細を説明するべきだ」と求めたのですが、今回の一任決定まで、説明の機会は一度もありません。
 若手議員にすれば、細田先生は総裁の出身派閥の長だから、怖くて何も言えないのでしょう。今回、「手続きがおかしい」と声をあげたのは、ほとんど石破派。しかし、内心反発している議員は他にもいるはずです。なぜなら、今回進めようとしている加憲はロジックとして明らかにおかしいからです。
 安倍総裁が改憲を目指す理由は「憲法学者の中には自衛隊を違憲だと言う人たちがいる。それは自衛官に失礼だから、憲法の中に自衛隊をちゃんと位置づける」というもの。しかし、今や国民の9割は自衛隊を評価しているんです。政府の立場も自衛隊は合憲であると一貫している。むしろ、おかしいのは、国民も政府も自衛隊を認めているのに、憲法9条をそのままにしていることなのです。
抑止力は高まらない
 現行の憲法9条2項を条文通りに解釈すれば、日本は「軍隊」を持てないし「交戦権」もありません。その上で、自衛隊については「必要最小限度の装備しか持たないので、軍隊ではない」というロジックで通している。
 でも、陸上自衛隊は10式戦車を持っているし、航空自衛隊はF-15戦闘機を持っている。海上自衛隊には「いずも」などの大型ヘリコプター搭載護衛艦がある。一般の人からすればどうみても軍隊です。それらの装備も必要最小限だから軍隊ではないという論理は国民には理解しづらいでしょう。
 交戦権については、さらに難解な解釈が必要です。
 一般に交戦権とは「国が戦争を行う権利」と思われているかも知れませんが、そうではありません。国際法には「ハーグ陸戦法規」、「サンレモ・マニュアル」、「ジュネーブ四条約」など戦争をするための厳格なルールがあり、交戦権とはそれらのルールで認められた戦い方を指している。
 国際法上の交戦権に従えば無差別でない限り空爆も出来る一方で、交戦国の軍人を捕虜にしたら人道的に扱わなくてはなりません。しかし、自衛隊員は軍人ではないし、交戦権も持たない。いざ防衛出動して戦う時ですら、何が出来て何が出来ないのか、憲法上は不明確で、その都度論争になりかねない。
 安倍総裁は、憲法に自衛隊を明記さえすれば、9条と現実の矛盾を解消できると考えているのかも知れません。しかし実際には、そんなことをしても日本の抑止力は1ミリも向上しません。
 むしろ「軍隊も交戦権も持たないけど、自衛隊は持つ」という戦後続いてきた矛盾が、より明らかになってしまうだけです。しかも、国民投票を経て改憲すればアメリカからの「押し付け憲法」という言い訳すら使えなくなってしまう。そもそも自民党は、主権独立国家にふさわしい憲法を制定するために結党されました。交戦権すら制限されて、どこが主権独立国家なんですか。今、自民党がやろうとしていることは、戦後レジームからの脱却どころか、自らの手で戦後レジームを固定化することに等しい。
 本来、改憲するなら9条2項を変えるか削除しなければなりません。私がこう言うと執行部の人たちは、「石破さんは公明党を説得できるのか」と反論します。しかし、同じく改憲項目とされた「合区の解消」については公明党への配慮は言及されていません。
 憲法改正推進本部でも「石破さんの仰ることはその通りですが、それでは国民投票で2分の1が取れません」と言われましたけど、国民に説明する努力をどれだけしたのでしょうか。
 私は、きちんとした改憲をするためには5年かけても10年かけてもいいと思っています。そもそも政治家というのは、国民に説明するためにいるんですから。
 安倍総裁は、「今回の“加憲案”なら今までと何も変わりません」と言って国民を安心させようとしています。でも、私は逆に「何も変わらなくていいんですか」と聞きたい。何も変わらないのなら、どうしてそんなに急いで改憲する必要があるのか。
 それよりも、日本の防衛には喫緊の課題が山積みになっています。たとえば、尖閣諸島に漁民を装った武装民兵が上陸したら、現状ではまず警察権で対抗することになります。でも、国家主権が侵害されているときに警察権で対応するのはおかしいでしょう。そういう、「グレーゾーン事態」に関する規定はもちろん、人員や武器も現状で足りているのでしょうか。専守防衛というのは、相手が何でもありで攻めて来るのに防御しかできない、世界で最も難しい防衛戦略ですよ。憲法に自衛隊を明記するだけで現実の防衛力が高まることはありません。
「石破は総理の後ろから弾を撃っている」なんて言われますが、そうではない。憲法や安全保障を語っても票にも金にもなりません。逆に「あいつは戦争好きだ」なんて勘違いされて票が減るかもしれない。
 それでも、私は9条改正がしたくて国会議員をやっているようなものです。だから、安倍総裁の方向性が正しければ賛成するし、間違っていれば反対する。それだけのことです。


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