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シビリアンコントロールについて




シビリアンコントロールについて


平成23年11月21日
田母神俊雄
http://homepage3.nifty.com/tamogamironbun/
シビリアンコントロール(=文民統制)という言葉が、我が国ほど喧伝される国はないであろう。アメリカやイギリスなどを訪問してもこの言葉を聞くことはほとんどない。何故、我が国でこの言葉がこれほど聞かれるのかと言えば、軍人は暴走するという誤った歴史観があるからだ。

暴走する軍人を抑えておくためには、理性的なシビリアンがこれを統制する必要があるというわけだ。我が国では軍というのは悪の代名詞である。しかし、よその国では軍は国民の財産であるとの認識が一般的であり、軍が暴走するなどとは思っていないし、国民が軍人に対して相応の敬意を払っている。

東日本大震災における自衛隊の活動などから日本国民の自衛隊に対する信頼感も生まれているが、我が国ではいまなお、国政を預かる政治家でさえも、自衛隊は厄介なお荷物であり、できれば無くしたいと思っている人たちも多い。そして自衛官が暴走すると思っている人たちも多い。自衛官は私をはじめ本当に穏やかでいい人が多いのに。

軍人が暴走するとの認識が広まったのは、我が国を弱体化するためのアメリカの占領政策の影響である。東京裁判では、一部の軍人が暴走して第二次大戦を起こし、日本国民はそのような軍人によって大きな被害をこうむったという構図が作られた。歴史は戦勝国が作る。正義の国民主主義国家アメリカ、極悪非道の独裁国家日本という構図の歴史である。これはウソである。しかし、我が国はいまなお戦勝国アメリカの歴史観から抜け出せないでいる。

歴史を見れば、軍人は戦争をしたがらないことがわかる。これは当然である。戦争になれば、最初に死ぬのは軍人である。顔の見える部下が死ぬかもしれないし、自分自身が死ぬ可能性もある。そんなことを欲する人はいない。できれば避けたいと思うのが人情である。1937年(昭和12年)12月13日、南京は日本軍によって陥落させられた。このとき陸軍参謀本部と海軍軍令部は近衛首相に対し、「これで戦争をやめてくれ」と哀願したのだ。当時の参謀本部長と軍令部長は宮様だったが、陸軍参謀次長の多田駿大将は涙を流しながら近衛首相の説得にかかったのである。しかし、文民である近衛首相は、ここで戦争をやめては支那に馬鹿にされるからもっとやるのだということで、さらに支那事変の泥沼にはまって行くのである。イラク戦争では、「戦争をやるべき」と主張したのは、ブッシュ大統領とチェーニー副大統領、文民である。軍人出身の元統合参謀本部議長のパウエル国務長官は、最後まで開戦に反対したのである。

さてシビリアンコントロールであるが、我が国のシビリアンコントロールは諸外国とは違って、自衛官はモノを言ってはいけない、文民から指示された事だけやればいいのだという馬鹿げたものである。だから私の書いた歴史論文が政府見解に反するからという理由で私は空幕長を更迭された。我が国以外では、こんなことは起こり得ない。私が更迭されて間もなく、アメリカの太平洋軍司令官キーティング大将が、「沖縄海兵隊のグアム移転は2014年までにという日米の約束であるが、現状を見るにとても無理だ」と言った。しかし、間もなくセドニー国防次官補がキーティング大将の意見を否定した。セドニー氏は、「太平洋軍司令官の意見は正しくない、我々は日米の約束を計画通り実行する」と言ったのである。

このとき太平洋軍司令官(キーティング大将)は更迭されることになったのか。そんなことはない。またオバマ大統領は大統領選挙期間中の演説で、米軍のイラクからの撤退を2年で実現すると言った。これに対し、米軍のトップであるマレン統合参謀本部議長が、「とてもじゃないが無理だ」と言ったのである。オバマ氏が大統領になってマレン大将は更迭されたかというとそんなことはない。国家政策に対し、現場を良く知る者が国家政策を誤らせないためにという正義感で発言するのはごく当然のことである。この諸外国ではごく普通のこのことが我が国では公職を追われることになるのである。

私が更迭されてすぐに、防衛通と言われる自民党の石破茂議員が「文民統制の無理解」だと言った。彼の考える文民統制の中身がわかろうというものである。まさに自衛官はしゃべるな、言われたことだけやれと彼は言いたいのであろう。実は、彼が防衛大臣で私が空幕長であったときのいろいろなことから、彼だけは私を弁護するだろうと思っていたが、まさに思いやりのかけらもない言葉で批判されてしまった。私は心底から国家、国民の将来を思って論文を書いたものであり、独裁国家を除き、この程度のことは世界中の軍人がみな発言している。この程度のことが言えない国は、言論の自由のない北朝鮮と同じである。国が間違った方向に進んでいるときに、これは俺の責任ではないからお上の言う通りしておこうというのは、国家に奉職する者として責任ある態度ではないと思う。それではお上が間違えばみんな間違ってしまうことになる。

諸外国の文民統制は、外交問題の解決に当たって軍事力を使うのか使わないのか、その決定をするのは軍ではなく政治家であるというだけのことである。戦争開始を宣言するのも政治家、戦争終了を宣言するのも政治家であり、軍ではないということである。我が国のように自衛官が論文を書いて発表するのにも、いちいち大臣の許可を受けよとか言っているのは国際的に見て異常である。私のせいで現在の防衛省内では制服自衛官に対する締め付けが厳しくなっており、後輩諸君に迷惑をかけていることには心が痛む。しかし、北朝鮮と同じような言論の不自由が、民主主義国家と言われる我が国でも存在しているということを、多くの国民の皆さんに知ってもらいたいと思う。

今のままでは多くの自衛官が任務遂行意欲を減退させられるであろう。防衛省内部部局の背広組みの皆さんにもお願いしたい。自衛官を監視することによって皆さんの権限は増大するかもしれない。しかし自衛官にもっと自由に発言させる雰囲気を作らなければ国家にとって大きな損失になると思う。今の日本は発展か衰退かの大きな岐路に立っており、内部で勢力争いをしている場合ではない。自衛隊を強くすることが背広組みの皆さんにとっても責任である。自衛官にももっと言論の自由を与え、東日本大震災の復旧作業などにも自衛官の知見を活用したらよいと思う。

※田母神俊雄公式ブログ『志は高く、熱く燃える』より許可を得て転載
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