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国際社会も危惧する日本の右傾化と政治主導外交 深刻な日中関係を安定軌道に戻すための「4原則」

国際社会も危惧する日本の右傾化と政治主導外交
深刻な日中関係を安定軌道に戻すための「4原則」

http://diamond.jp/articles/-/24938

ディッチレーの国際会議で懸念されて
いた日本の右傾化、政治主導外交
 一昨日まで、英国オックスフォード近郊のディッチレーで東アジアの政治安保を論じる国際会議に参加した。第二次世界大戦中の一時期、チャーチル首相が別荘として使用し、英米の指導者が戦後の体制を話し合った場所である。
 400ヘクタールという広大な敷地に建てられた荘厳な屋敷は、戦後米国やカナダなどの寄付を受け、ディッチレー財団が運営をする知的対話の場所と なった。私もロンドンの大使館勤務の時代に何回か訪れた場所であるが、2日にわたって古い本に囲まれた会議室での議論を続けると、まるで世界を動かせる気 分になるから不思議である。
 今回集まった約40名の有識者の中には、米国のクリストファー・ヒル、カート・キャンベルといった米国務省の東アジア担当次官補の現職、前職や、英国外務省のピーター・ウィルソン現アジア局長も参加していた。
 私自身も、時期は異なるが外務省のアジア局長を務めた経験があり、東アジアという課題を巡って密度の濃い議論ができた。
 会議の圧倒的関心は米中関係にあったが、会議参加者の多くは日本の状況に大きな懸念を示していた。その懸念の最大のものは日本社会の右傾化であるという。
 日本の防衛力強化、集団的自衛権の見直し、武器禁輸三原則の見直しといったことには米国などの諸国は期待し、強い支持をするが、村山談話や慰安婦についての河野官房長官談話を否定するような歴史や戦後秩序に触る動きは、米国を含め支持する国はいない。
 自民党の総裁選においても、このような動きが目立ち出すと、日本は東アジアで孤立していくのではないかと心配する声は強い。さらに、会議の外で話すと、日本という国は「政治主導」の旗印の中で外交ができない国となってしまったのではないか、という声も聞こえた。
 中国や韓国、米国との関係で難しい問題であればあるほど、政府当局者がじっくり腹を割って話し、落とし所を探る必要があるが、日本の場合、官僚は政治には信頼されていないのでこの役割を果たせておらず、全て受身の対応となってしまっているという。
 私が東アジアに充満しつつあるナショナリズムの危険を話している最中に、中国における暴徒化した反日デモの話が報告された。16日に帰国すると日本のメディアは中国の100を越える都市における反日デモの報道で持ち切りである。
 2005年、2010年に比べ、今回のデモは規模や広範な都市への広がりから言っても相当深刻である。従来は中国のメディアではあまり報じていなかったが、今回は新聞でも大々的に報じられている。これで終わりになるのではなく、今後も続いていきそうな気配もする。
ついに暴徒化した中国の反日デモ
日中関係を建て直すための「4原則」
 中国では10年ぶりの政権交代であり、日本でも民主党、自民党の代表・総裁選挙という政治の季節に突入しているだけに、日中関係が今後どうなって いくのか予断を許さない。今後どこかの時点で、日中関係を建設的な軌道に戻すことを考えていかなければならないが、その際留意するべき4つの重要な原則を 述べたいと思う。
 第一に、日中関係の大局である。中国との関係は日本の大戦略につながってきた。1853年のペリー提督の黒船来航は、中国との交易を行なうための太平洋航路開設と日本を補給基地にするという目的であったが、それにより日本は鎖国を解いた。
 その後日本は、富国強兵路線をひたすらに走っていく。その結果としての太平洋戦争は、日本の中国侵略を阻止しようとする米国との戦いであった。日 本は敗北し、敗戦国として米国の占領を受け、サンフランシスコ講和条約で主権を回復し、日米安保条約で安全を担保の上、経済再建を成功させ、世界第二位の 経済大国の地位を固めた。
 その後、飛躍的に台頭してきた中国は、GDPで日本を追い越した。中国と建設的な関係を取り結ぶことが、日本外交にとって最大の課題となった。
 中国は日本にとって最大の貿易相手国であるのみならず、人や資本の移動という観点からも重要なパートナーとなっている。中国にとっても、この地域最大の先進国である日本との関係は、米国に次いで重要であるはずである。
 尖閣諸島の国有化は、日本が実効支配をしてきたという現実を変えるものではなく、これを巡り日本が妥協できるものではない。日本政府は国有化しても尖閣を平穏な管理の下に置くだろうし、この前提で尖閣問題を日中関係の中で相対的に小さい問題としていかなければならない。
反日デモは反政府デモへ容易に変わる
対外強硬策を牽制する日米協力の重要性
 第二に、中国の統治の困難さに対する理解である。今後の中国の安定的発展にとって国民の不満をどう充足していくかが最大の難問である。
 現在の反日デモも、反日デモである間はともかく、これが反共産党政府デモに容易に変わることを当局は怖れているのだろう。中国が抱える問題は圧倒的に大きい。
 国民の所得格差は甚大であり、汚職や犯罪、さらには環境・エネルギー問題、少数民族問題など枚挙の暇がない。7~8%を超える経済成長が継続している間は良いが、もしこれが急激に減速していけば、失業が増大し、国民の不満が大衆運動に繋がるのは明らかであろう。
 現在中国政府は、10年ぶりの指導者交代を迎え、とにかく「安定」を訴えている。他方、中国共産党内の路線闘争も厳しく、漸進的な改革を進めよう とする「リベラル」勢力と既得権にしがみつく「保守」勢力の対立も目についている。国際社会は、中国が改革の道を歩むことを支援するべきなのだろう。
 しかし中国は、国内の対立の目を外に向けさせるため、対外的に強硬な行動をとる可能性もないわけではない。このような行動を抑えていくためには、 米国の力は極めて有用である。日本政府が現在の日中関係を取り巻く諸問題について、米国と十分協議を尽くしていることを願いたいと思う。
 第三に、日中間の太いパイプを再構築する必要性である。自民党政権下においては国会議員をはじめ各界を代表する人々のパイプはそれなりに太いものがあったが、現在そのようなパイプはほとんど壊滅した。
 さらに、日本外務省の中国スクールと言われる人々を含む、中国通や中国の「ジャパン・ハンド」と言われる日本通の人々の影響力は大きく減った。普 通であれば、現在のような日中間の危機と言われる状況においては、日中両国政府で緊密な協議が行なわれてよいはずであるが、そのような動きは全く見られな い。
 誰が、どこで、事態の収拾を図るための協議を行なっているのであろうか。もし事態がそれぞれの国民のお互いに対する反感で悪化していくとすれば、外交不在と断じざるを得ない。
中国の台頭を建設的な枠組みの中に
多国間パートナーシップを活用すべき
 第四に、三ヵ国、地域などの多国間枠組みの活用である。中国の台頭を建設的な枠組みの中におくことは極めて重要である。日米安保体制が中国の軍事的台頭を牽制するためには、最も効果的であることは論を待たない。
 また、日米韓、日米豪、日米印といった戦略的枠組みも大事であろう。日本は韓国、豪州、インド、インドネシア、ベトナムといった諸国とのパートナーシップを強化しなければならない。
 同時に、中国を巻き込んだ日中韓の協力も推進するべきであろう。さらに、日米中の間で軍事面での信頼醸成の枠組みを立ち上げるべきである。自衛隊、米軍、人民解放軍が津波など地域の天然災害救助に合同で展開していくことは不自然ではあるまい。
このような共同行動を通じ信頼が醸成されていくことになる。ASEAN+3やADMMプラス(ASEAN+8国防相会議)、ARFなどを通じ、地域間協力を推進していかねばなるまい。
 さらに、日中韓やASEAN+6の経済連携協定を通じ、地域経済統合を進めたい。また東アジアサミットは、石油天然ガスなどの資源共同探査・開発、原子力発電の安全性などの地域協力を実質的に進めていくための格好の場である。
日中関係を安定的な軌道に戻すため
政治はポピュリズムから脱却せよ
 日中関係を安定的軌道に戻すべく上述したような戦略が実現されるには、プロフェッショナルな政府の存在が大前提である。民主党、自民党の代表選び や維新の会などの動きを見ていると、本当にこの国は大丈夫であろうか、と思ってしまう。世論に競争的に迎合していくようにしか見えない。
 対中国関係だけを見ても、ポピュリズム的雰囲気が充満している。日本が毅然とした外交を進めることは重要であるが、外交には相手がある。当然のことであるが、外交は単なる見かけではなく、日本にとって好ましい結果をつくるための息の長い地道な作業である。
 中国との関係にしても、現在のような反日デモが収束した後、上に述べたような四原則に則って日中両国政府が真剣な協議を行なうことこそが重要なのである。
 このためには、「何でも政治家」といった誤った政治主導は改めなければならない。政治が十分な信頼を官僚に与えた上、両国間で掘り下げた協議が行なわれることを切に期待したいと思う。
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