NHKと東横インの受信料訴訟、“正論”ならNHKの圧勝?

NHK受信料訴訟 浮かぶ問題 曖昧な制度争点複雑化
産経新聞 9月30日(日)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120930-00000065-san-soci
 ■契約の成立いつから/ホテルに請求5億円/未払い分の「時効」は

 10月から月額最大120円値下げされるNHK受信料。NHKは平成24~26年度で1162億円と見込まれる減収分を補うため、受信料の支払率を上げ ようと未払い者への督促申し立てを過去1年で1000件超と加速させ、昨秋には未契約の一般世帯に初めて訴訟も起こした。しかし、一連の裁判では受信契約 が成立するタイミングや、未払い分を何年遡(さかのぼ)って請求できるかなどが争点となり、受信料制度が抱える“曖昧さ”も浮き彫りになっている。(織田 淳嗣)

 昨年11月、一般世帯で初めてNHKから受信契約締結を求めて提訴された東京都内の男性。NHKから契約を求める申込書が届いたのは同9月で、男性が応 じなかったところ、2カ月後に提訴された。当初は契約締結に加えて10~11月の2カ月分の受信料4580円を請求された。

 ところが今年4月、口頭弁論を前にした準備書面でNHK側は「9月に申込書が到達した時点で、契約は成立したと解すべきだ」と新たな主張を展開。請求額 についても、男性が平成18年3月からBS受信機を持っていた証拠が見つかったとして、過去6年分の16万8720円に増額した。

 契約成立を「申込書到達と同時」とする主張について、NHK側は「契約締結は放送法に基づく義務であり、申し込みを拒絶することは許容されていないから」としている。

 この成立時期が焦点となっているのが、7月に東横イン(東京都大田区)に対して起こされた訴訟だ。NHKはテレビの設置台数に応じた受信契約を結ばな かったなどとして、東横インに未契約の3万3767件の今年1~7月分に当たる約5億5210万円を請求。訴状によれば、3月14日にNHKからこれらの 契約の申込書が東横インに到着。NHKはこの時点での契約成立を主張している。

 東横インは答弁書で「放送法は受信機の設置者から自発的に締結することを予定しており、受信機の設置者が申し込みを行う。水道、電気、ガスなど公共性の高いサービスで供給者から契約の申し込みをする制度は取られていない」などと反論し、争う姿勢だ。

 前出の男性の件では、未払いをどこまで遡って請求できるかも争われている。

 NHK側は、18年3月に男性がBS画面に表示された受信機の設置確認を促すメッセージに従って操作した記録が見つかったとしている。しかし、今年2 月、東京高裁での受信料未払い訴訟の判決で、受信料債権は短期消滅時効(5年)の適用を受けるとした判断が確定。民法では1年より短い期間で定期的に一定 の金銭の給付を受ける債権についての時効を5年と定めており、受信料がそれに該当すると判断した。

 しかし、NHKは取材に対し「消滅時効期間は民法の一般原則に照らして10年」と主張し、消滅時効をめぐって別の裁判でも争っている。男性側の代理人弁護士は「裁判で認められたばかりの5年の時効を超えて請求するのは理不尽」と主張している。

 【用語解説】受信料支払い督促と訴訟

 NHKによると、平成18年11月~24年8月に、受信契約を結びながら受信料を支払わなかったとして支払い督促を申し立てた総件数は2975件。そのうち1166件が訴訟になった。未契約者への提訴は一般世帯6件、事業所5件。





NHKと東横インの受信料訴訟、“正論”ならNHKの圧勝?

2012年09月27日19時30分
提供:週プレNEWS
164コメント
http://news.livedoor.com/article/detail/6993189/

今年7月末、NHKがホテルを経営する3社を相手取り、受信料の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。請求額は実に約7億3600万円。そのうち5億5210万円の支払いを求められたのが、ビジネスホテルチェーン大手の東横インだ。
NHK 側は部屋にテレビが設置されているにもかかわらず未契約となっている約3万3700件分の受信料を請求しているが、東横イン側は9月10日に行なわれた第 1回口頭弁論で、「客室の稼働率」や「テレビを利用しない宿泊客も多い」ことを理由に「NHKの請求は妥当ではない」と述べるなど、真っ向から争う姿勢を 示している。
東横イン側の弁護を担当する黒澤基弘弁護士はこう言う。
「昨 年末まで、NHKさん側の請求どおり全室の25%分まで支払ってきました。しかし、今年1月から7月までの、全国の宿泊施設の未契約分を全額支払えという ことで提訴されたのです。われわれとしては、NHKさん側が25%分の請求書を送ってきているのだから契約は25%で成立しているものだと思っていたので すが、NHKさんはそんな契約自体なかったという考えのようです」
そもそもの話、放送法では、テレビ(NHKの放送を受信できる受信設備)を設置すれば受信契約を結ばなければならない(第64条)。
また、ホテルの受信契約はテレビのある客室単位で計算しており、その“原理原則”からいうと、東横インは全客室分の契約を結ぶ必要がある。
しかし、受信料問題に詳しい弁護士の梓澤和幸氏はこう言う。
「放 送法にある“契約強制”は、もともと双方の意思と意思の合致によって成立するもの。国家が強制して民事上の意思の合致を成立させることは、かなり無理のあ る理論をこしらえないと成り立たない。ですから未契約分にまで支払いをさせるのは法的には厳しいと、私は思います。ただ、今までの受信料裁判を見る限り、 法廷はNHKの訴えを認める可能性が高いのが実情です」
2010年から一般世帯への強制執行の申し立てを 頻繁に行なうなど、受信料徴収に全力を挙げている最近のNHK。2011年度決算では過去最高を更新する6725億円もの受信料収入を得て、4年ぶりに増 収増益としている。受信料の月額は地上契約のみで1345円、衛星契約を含んでも2290円。これなら10月から予定されている月額最大120円というい たって小幅な値下げなど、痛くもかゆくもないだろう。
だが、法的な後ろ盾があるとはいえ、ここまで巨額の訴訟を起こす必要があるのか。この点について、メディア論が専門である上智大学新聞学科の碓井広義教授はこう見る。
「こ の問題は難しくて、NHKだって何も訴えたくて訴えているわけではないんです。NHKは国民の皆さまの“善意”で成り立っている組織。強制しているわけで はないという立場なので、裁判沙汰にはしたくない。一方で、受信料の収入が落ちると国会で叩かれる。ですから、個人であろうが事業者であろうが、こういう ケースは放っておけないわけです」
今回、東横インに対して100パーセントの受信料を請求したNHKに上がっている、「やりすぎではないか」の声。国民感情としては、それも当然といえるのではないだろうか。
(取材・文/コバタカヒト)
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