憲法施行64年 非常時対処の不備を正せ



これ等の記事は2年前に書かれたものである。
内容は些かも減ずる事無く今の課題である。




【主張】
憲法施行64年 非常時対処の不備を正せ

2011.5.3 02:20 msn
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110503/plc11050302220007-n1.htm
 ■「自衛隊は国民の軍隊」明記を
 憲法施行から64年を迎えたいま、戦後日本の国のありようが根幹から問われている。
 東日本大震災による死者・行方不明者は2万5千人を超えており、国家が国民の生命・財産を守る責務を果たしていないことをみせつけた。その大きな要因は、「想定外」は考えなくてよい、として非常時への備えを欠落させてきたことなどによる。
 現行憲法の非常時規定は、衆院解散中、「国に緊急の必要」があるときは参院の緊急集会を開催できるとしているだけだ。これでは国家として緊急事態に適切に対処することはかなわない。憲法を含め、国家緊急事態に関する不備の是正が喫緊の課題である。
 ≪突破口は憲法96条改正≫
 同時に、菅直人首相が緊急時の規定を使おうとしなかったことも、事態をより深刻にしていることを指摘しておきたい。
 今回の震災でもわかるように、非常時に頼りになるのは自衛隊などだ。自衛隊の奮闘は国民の目に焼き付けられた。だが、自衛隊という国民の財産が十分に活用されているかというと疑問だ。
 「専守防衛」などのタガがはめられ、初動時の輸送や即応力などに問題を抱えている。憲法上、軍隊としてきちんと位置付けていないことも、自衛官の士気などを損なう結果になっていないか。
 これだけ必要かつ不可欠な組織を「国民の軍隊」として処遇することが何よりも重要である。
 憲法改正のハードルはなお高いが、改正を発議する衆参両院議員の「3分の2以上の賛成」を「過半数の賛成」に変える憲法96条のみの改正を求める動きもある。大震災は国のかたちをどう見直すかを国民に突きつけている。
 戦後日本が「想定外」としたのは大震災に限らない。戦争やテロなどもそうだ。4月28日に開かれた超党派の「一院制議連」では、「日本の憲法は都合の悪い事は起きないことを前提にできている」などと問題提起された。
  「都合の悪い事」を考えようとしない指導者もいる。国防に関する重要事項を取り扱う安全保障会議には、首相が必要と認める「重大緊急事態」への対処が定め られている。大震災と東京電力福島第1原発事故はそうした重大事態といえるのに、議長の菅首相は安保会議を開こうとしなかった。
 開催すれば、議長の首相は関係閣僚のほか各省幹部も加えることができ、政府の各部門が情報を共有する場となる。既存の枠組みを活用しようとしないのである。
 また、災害対策基本法で定められている「災害緊急事態」の布告も見送られた。この布告により、生活必需物資の配給や価格の決定などが行われれば、今回の震災で問題になったガソリンなどの流通の混乱は是正できたろう。
 ≪私権制限を避け続けた≫
 それでも布告に伴う政令の制定は国会の閉会中などを想定しており、緊急時には機能しない仕組みだ。さらに、内閣府は布告しない理由について、国民の私権の制限を避けた旨を国会で答弁している。いずれの緊急事態対処も絵に描いた餅のようなものだ。
 なぜ、こうした不備が放置されているのか。一つには憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との規定があるためだ。他国や国際機関任せにしてきた。
 もう一つは私権を制限する強制措置を避け続けてきたことだ。
 例えば今回、有事法制である武力攻撃事態対処法や国民保護法の適用は見送られた。その国民保護法では、「国民の協力」を得られるかどうかは「国民の自発的な意思」に委ねられており、私権制限を課すことになっていない。
 土地収用や物資供出など強制力をもって一時的に権利を制限しなければ、非常事態を乗り切ることができず、国民がより不幸になりかねないことを考えるべきだ。
 憲法論議は、自民党の憲法改正推進本部などが積極的に行っている。平成17年にまとめた党の新憲法草案に非常事態条項を導入することなどを検討している。
 憲法改正手続きを定めた国民投票法が昨年施行され、憲法改正を発議できる。にもかかわらず、改正原案を審議する衆参両院の憲法審査会はいまだに始動せず、憲法論議に入れないお粗末さだ。非常時を想定外とし、思考停止を続けることはもはや許されない。



【憲法記念日】
急がれる非常事態規定の整備 民主は憲法論議に消極的

2011.5.3 21:47 (1/2ページ)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/505327/
 東日本大震災と福島第1原子力発電所事故を受けて、憲法に非常事態(緊急事態)規定を盛り 込むよう求める声が憲法改正派から出ている。しかし、与党・民主党には、国の危機管理体制を憲法から立て直そうとの問題意識が欠けている。参院憲法審査会 の委員数などを定める「審査会規程」が13日にも制定の見通しとなったが、民主党は実際の委員選任には後ろ向きで、国会で憲法論議が始まるメドは立ってい ない。(榊原智、原川貴郎)
 超党派の保守系議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は4月28日の大会で、新憲法に非常事態規定を創設するよう決議した。自民党憲法改正推進本部も同月27日、検討中の改憲案に非常事態条項を盛り込む方針を確認した。
 一方、民主党の反応は明らかに鈍い。
 「党内でそういう議論をしていない。大震災でどういう不都合があったか検証するのが前提だ。大震災が起きたからただちに人権制限を含む緊急事態条項がいるとは必ずしもならない」
 岡田克也幹事長は同28日の記者会見でこう述べ、党内で論議をしていないことを認め、非常事態条項に消極的な姿勢を示した。

「創憲」が党の方針だったはずだが、憲法記念日の玄葉光一郎政調会長名の党談話も「現行憲法に改めるべき点があれば改める」とするだけで、どのような点を重点に改正論議に取り組むかを示さなかった。
 民主党は国会での憲法論議も妨げている。
 国会では、国会法改正で平成19年8月に法的に設置された衆参の憲法審査会が3年9カ月も始動していない違法状態が続いている。
 衆院憲法審査会の規程は21年6月に自公両党の賛成などで制定済みだが参院側の制定を待つため委員の選任をしてこなかった。13日にようやく参院の規程ができても、両院の憲法審査会が動き出す保証はない。
 参院民主党幹部は2日、「委員の選任まではいかない。規程だけだ」と述べた。岡田氏も4月28日の記者会見で「震災に全力投球している。憲法改正論議に多くのエネルギーを注ぐ状況でない」と発言した。
 民主党の消極ぶりについて、自民党閣僚経験者の一人は「民主党は護憲派も多く憲法論議をするとばらばらになるからだ。国会審議では社民党や共産党の協力も得たいんだろう」と批判した。

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非常時への対応 本来なら憲法の見直しが要る(5月4日付・読売社説)
20110504
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110503-OYT1T00697.htm
 ◆国会の機能不全は放置できない◆
 巨大な地震と津波、そして原子力発電所事故。かつてない国難に直面すると、国家の基本である憲法の在りように思いを致さざるをえない。
 施行から65年目を迎えた憲法の姿を、震災への対応という観点から考えてみたい。
 問題の一つは、現行憲法が、緊急事態への対処を規定する条文を欠いていることだ。
 国の緊急事態としては、今回のような大規模災害や、原発事故だけでなく、外国からの侵略、テロも想定される。
 ◆各国には対処条項が◆
 政府には、こうした重大な局面で迅速、適切に対処することが求められる。主要国の多くの憲法に緊急事態条項があり、対処の原則を定めているのはこのためだ。
 居住や移転の自由、財産権など基本的人権が、その場限りの超法規的な措置によって侵害されるのを防止する目的もある。
 政府は今回、災害対策基本法に基づいて菅首相を本部長とする緊急対策本部を設け、被災者の救助と救援に当たった。
 阪神大震災の教訓を踏まえ、制度の改善を重ねてきただけに、地震と津波に関する初期対応は、おおむね妥当であった。
 だが、災害対策基本法では、国が強制力を持った措置は取りにくく、今回のように広域で甚大な震災には、十分対応できないとの指摘が出ている。
 深刻なのは原発事故である。
 原子力災害対策特別措置法によって政府は、原子力緊急事態を宣言し、対応に当たっているが、初動の遅れは明らかだ。
 たとえば、原子炉冷却に必要な人材や機材を、既存の法律にとらわれずに緊急輸送する措置が取られていれば、ここまで事態は悪化しなかったのではないか。
 ◆次の大地震への備えを◆
 無論、緊急事態には、首相が強いリーダーシップを発揮し、各府省の統率をとることが第一だ。
 しかし、政府がより円滑に動けるようにするには、それを可能にする法制度を整備しておくことこそ、根本的な課題である。
 近い将来の憲法改正が容易ではないことを考えれば、「緊急事態基本法」を制定してはどうか。
 緊急事態時に、国が万全の措置を講じる責務を持ち、経済秩序の維持や公共の福祉確保のために、国民の権利を一時的に制約できるようにするものだ。
 自民、公明、民主の3党は、こうした「緊急事態基本法」を検討し、2004年には、成立を図ることで合意している。
 そうした仕組みがあれば、首都圏直下型地震や東海、東南海、南海地震など、想定される大震災の際、今回より迅速で適切な対応をとることができるだろう。
 現在も続く東日本大震災への対応は、法制度上、どんな問題を残すのか。政府と与野党は、徹底的に検証し、緊急事態基本法の制定へ本格的に動き出すべきだ。
 ◆「強すぎる参院」が問題◆
 もう一つの問題は、憲法が規定する衆参二院制の在り方である。
 震災前、国会は衆参のねじれで機能不全に陥っていた。一応「政治休戦」の状態にある現在ですら、震災復興関連の特別立法への対応が鈍く、立法府の役割を十分に果たしているとは言い難い。
 根底に、「強すぎる参院」という問題が横たわっている。
 野党側が、政府攻撃の手段としている参院の問責決議には何ら法的根拠はない。だが、ねじれ国会の下では、野党が「問責決議の対象となった首相や閣僚とは審議に応じない」との態度を取れば、国会運営は行き詰まってしまう。
 問責決議は、実質的に衆院での不信任決議と同じ効力を持ちかねない。それが今の国会だ。これでは衆院の優越を定めた憲法の理念に反することになろう。
 与野党が新たな国会運営のルールを確立する必要がある。究極的には、憲法改正で衆院の優越を一層明確にしなければならない。
 法案で参院が衆院と異なる議決をした場合、衆院による再可決の要件を現行の「3分の2以上」から「過半数」に緩和すればよい。首相の指名権を衆院に限定するなど役割分担を進めるべきだ。
 衆参両院には「1票の格差」を巡る訴訟で「違憲」「違憲状態」の判決が相次いでいる問題もある。選挙制度の見直しが急務だ。そのためにも、国会は憲法の次元から議論を起こし、両院の権能を大胆に見直さねばならない。
(2011年5月4日01時02分  読売新聞)

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