残滓濃い戦後民主主義 軍事忌避する「奇妙な国」考

残滓濃い戦後民主主義 軍事忌避する「奇妙な国」考
配信元:産経新聞
2013/08/25 08:06更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/679185/

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記事本文
【日曜に書く】
 日本はいつの間にか、軍事がわからない「奇妙な国」になってしまったのではないか。
 東日本大震災などを通じて、自衛隊への評価は極めて高くなったものの、軍とすることに違和感を持つ人が少なくないのはそのためだろう。
 ◆残滓濃い戦後民主主義
 「軍は悪」とする戦後民主主義の残滓(ざんし)の色濃さをも物語る。「絶対平和主義」に耽(ふけ)り、軍事を忌避する国家でいては、力の支配がしばしば起こりうる国際政治の荒波に翻弄されるだけではないのか。
 軍事がわからなくなったのは、軍と呼ばず、自衛隊とするなど、軍を消し去る作業が続いているためだ。それに加え、軍隊とは何かを教えることのできる人たちの多くが姿を消し、軍事に関する教育、例えば、戦時法規ですら不要とされた。
 戦後、駐米大使を務めた朝海浩一郎は「帝国陸海軍をディスクレジット(悪者にする)せんとするあまり、軍備それ自体を悪なりとしてしまった」(初期対日占領政策)と反省の弁を述べている。
 「なぜ軍隊が守らないのか」。2020年東京五輪招致のために欧州諸国を歴訪し、協力を要請した自民党の衆院議員は各地で同じような質問を浴びせられたという。
 「国内の治安は警察が担当する」と議員が説明しても「武装したテロリストの攻撃には軍隊でなければ対処できない」。
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記事本文の続き ◆「なぜ軍隊が守らない」
 欧州側は、軍隊の活用を優先しない日本側にけげんな表情を浮かべていたそうだ。
 今年3月、超党派の東京五輪招致議員連盟の役員会で披露された話である。その場にいた日本維新の会衆院議員、山田宏氏は杉並区長当時、背広姿で説明に来庁した自衛官とのやりとりを思い出したという。
 「軍服で来ればよかった」と話したところ、「あまり刺激したくない」と答えたという。
 軍服を背広に着替えざるを得ない。軍とは言わない…。軍隊が存在しないかのような日本と、軍と国民が一体化している欧米諸国との違いは歴然だ。
 「ごまかしが続いているのですよ」。山田氏は慨嘆する。
 一方で自衛隊を軍隊として活用しないことが、日本を未曽有の危難に追い込んでいる。
 尖閣諸島周辺の日本領海侵犯を常態化させている中国の一連の行動は、国連海洋法条約第19条が違反とする「外国船舶の無害でない通航」に該当する。
 この不法行為に対し、沿岸国は「自国の領海内で必要な措置をとることができる」(同25条)とされ、自衛権行使による実力排除が認められている。
 列国の軍隊は、領土や主権を侵害する不法な暴力に対し、部隊自衛といわれる「平時の自衛権」を行使して排除する。前記の「必要な措置」をとるのは当たり前なのである。
 ◆主権侵害を座視するな
 だが、自衛隊にはこれが許されていない。憲法第9条で禁止されているとされる「武力行使との一体化」に抵触するのだという。自衛権行使を認められているのは防衛出動だけだ。
 しかし、防衛出動は大規模な侵略を適用要件としている。懸念される海上民兵による尖閣不法占拠は、その要件に合致せず、適用の対象にならない。
 自衛隊の対処は警察力となるが、警察力は国の管轄権の一部にすぎず、外国の政府公船には行使できない。海上保安庁と同様、領海からの退去要請にとどまる。不法な主権侵害行為を座視するしかない自衛隊とは一体、何だろう。
 忘れてならないのは、周辺諸国がこうした不備と緩みにつけこんでいることだ。
 北朝鮮工作員による日本人拉致はそれを象徴する。「日本潜入は食事中にトイレに立つくらい簡単」。韓国に亡命した元工作員はこう述懐していた。
 尖閣の実効支配も中国により日々、突き崩されている。
 抑止力がないことが見透かされ、危機を呼び込んでいる。
 それだけに自衛隊に列国の軍隊と同じ権限と機能をもたせることは、喫緊の課題である。
 軍事から目をそむけても問題はなにも解決しない。自衛戦争も起こりうる。国民生活の基盤は国の安全保障であり、抑止が機能しているからこそ、平和は保たれる。
 憲法を改正して軍を持つことは、独立と自存への国家の覚悟を示すことになる。
 国民の財産といえる軍隊の活用に躊躇(ちゅうちょ)する「奇妙な国」であってはなるまい。(論説委員・中静敬一郎)

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