台湾有事は日本有事と心得よその時に、わが国はどう備えなければならないか?

何故、台湾有事かと言えば、日本国周辺には北方領土、竹島、尖閣諸島、台湾など、
危険の存在する地域が多数有るが、広範な侵略が有り得るのは台湾であり、兵力の
規模も、日本国本土に対する圧力も大きいと見なければならない。

樋口譲次氏の米中冷戦は日本国が最先端で向き合う格好になっている。
アメリカの財政危機から始まったアメリカの動きも大変気になるところである。
アメリカが軍事力を行使できなければ、東アジアの軍事情勢は悪化する。

集団的自衛権 の行使が日本国内で批判が多いとしても、
我が国の防衛に直接絡んでくる事には、無関心ではいられない。

集団的自衛権 の行使に反対するとしても、朝鮮半島有事と台湾海峡有事に
黙ってみているだけで良いものであろうか。集団的自衛権 の行使に反対するのは
これ等の危険を察知した結果であろうと推察するが、自衛権の行使は必要である。
他国の危険に介入する事は良しとはしないが、自国民の保護は自国の軍隊のみが
できる事である。これらの地域の自国民を傍観する事は、国家とは呼べないであろう。
同様に、拉致問題の重大さを認識するべきである。

在日朝鮮人の問題は、韓国と北朝鮮の棄民を示す重大問題である。
ヘイトスピーチの報道は、その声を禁止する言論統制の意味を持ち始めている。
多くの日本人は興味を示さないが、反日勢力は、日本人の言論統制の手段と
考えている。だから、執拗で、連綿と、虚実を報道するのである。


国防
台湾有事は日本有事と心得よその時に、わが国はどう備えなければならないか?
2012.03.22(木)  樋口 譲次
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34792

中東における対テロ戦に一応の決着をつけた米国は、戦略の重点をアジアへ向けて急転換している。その矛先は、21世紀の東アジア/アジア太平洋地域において、安全保障・防衛上の最大の懸念材料となっている中国である。
アジアを主戦場とした「米中冷戦」はすでに始まっている
 中国は、2007(平成19)年2月、対米衝突を想定した衛星破壊兵器(ASAT)の実験を敢行した。また、中国のサイバー戦専門部隊による米国 の軍や公共機関のコンピューターネットワークに対するサイバー攻撃は、米国では2000年代初頭から公式に指摘されようになったが、すでに常態・多発化す る傾向にあって、重大な脅威と認識されるに至っている。
その一方で、中国は、米海軍の西太平洋への接近を阻止し、領域への介入を拒否する「接近阻止・領域拒否(A2/AD=anti-access/area denial)」戦略を採用して、そのための戦力を急速かつ本格的に造成中である。
 台湾有事などの際には、中国軍は第1列島線を突破して第2列島線まで進出し、でき得れば第2列島線以遠、やむを得ない場合でも第1列島線以遠に米海軍の接近・進出を阻止することを目標としている。
 当該地域から米国の影響力を排除して同エリアを支配し、自国の意図のままに、その意思や要求を周辺諸国に押し付けんがためである。当然ながら、日本列島は、中国が目指す戦略の主要な標的として組み込まれている。
 これに対し、米国は、電力、通信、輸送などの国家的インフラや国家機構への大規模なサイバー攻撃は、国家の関与なしには成し得ないとして、それを 「戦争行為」と定義し、ミサイルなどによる報復攻撃も辞さない構えである。宇宙・サイバー空間では、米中の熾烈な戦いが繰り広げられている。
 また米国は、中国の「接近阻止・領域拒否」戦略に対抗する相殺戦略(offset strategy)として「エアシーバトル(Air-Sea Battle、空海戦)構想」を打ち出した。そして、2011年末、アジア回帰・アジア重視の姿勢を鮮明にするとともに、オーストラリアへの米海兵隊の配 置、ミャンマーとの関係改善、東南アジア・インドとの協力強化など、矢継ぎ早に対中戦略態勢の構築に動いている。
 一時期、米中間は、経済的相互依存の深まりを重視して戦略的互恵関係を標榜しつつも、水面下では静かな戦いが進行しているという意味で、「米中静戦」との見方もあった。しかし、上記のように、すでにその段階を優に超えて「米中冷戦」は始まっているのである。
 東西冷戦間、アジアには、朝鮮戦争とベトナム戦争に代表されるように冷戦が熱戦化した歴史がある。そのいずれにも、米中は、敵対する関係で直接的・間接的に関与した。特に、朝鮮戦争において、両国は直接戦火を交え、1年数カ月にわたって死闘を繰り返した。
 当時、中国(共産党)指導部には、北朝鮮の金日成による南進統一の前に「台湾解放」を先行すべしとの意見(「台湾解放」先行論)があった。しか し、ソ連のスターリンは、自国の支援下に、中国が台湾解放に向かえば米国との対立は避けられないと判断し、世界大戦に発展することを極度に恐れてこれを拒 否した。台湾を舞台とした本格紛争はひとまず回避されたが、以来、「台湾解放」あるいは「台湾統一」は常に燻り続けてきた問題なのである。
アジアでは、冷戦はいまだ完全に終わっていない。朝鮮半島そして台湾問題に象徴されるように、冷戦がもたらした国家の分断に起因する一触即発の厳しい軍事 的対立が存在し、米中間の確執は依然として解消されていない。そして今日、米中冷戦が再燃し、新たな局面を迎えている。しかも、東西冷戦は欧州が主戦場で あったが、米中冷戦はアジアが主戦場である。

中国は、台湾を「核心的利益」とし、「台湾統一」は最優先課題であると主張している。一方、米国は「台湾関係法」によって中華民国・台湾の立場を擁護しており、両国の歴史的また基本的対立の根深さについて改めて意識せざるを得ない。
 この台湾問題は、中国と台湾の当事国(地域)をはじめ、米国、その同盟国日本を含めた東アジア諸国の動向いかんによって、いつ熱戦に発展するか分 からない不安定、不透明な状況下に置かれている。そして、いったん台湾有事になれば、中国が宿敵として構える日本に及ぼす影響は計り知れないほど大きいの である。

台湾有事は起こり得るのか?
 中国が海洋進出を模索し始めたのは、1970年代にさかのぼる。当時、中ソ対立は依然深刻な状況にあったが、両国の国境画定のための協議・交渉は続けられていた。国境問題が解決しない限り、中ソとも大規模な陸軍兵力を国境沿いに張り付けなければならないからである。
 そして、中国は、1985(昭和60)年、陸軍を主体とする100万人の兵力削減を発表した。まだ、中ソ国境協定の締結(1991年)には至って いなかったが、海洋進出の主役となる海空軍や核・ミサイル戦力などの増強近代化へ転換できる基本情勢が整いつつあると判断したからだ。
 4000年の歴史を語るだけあって、中国の海洋進出の戦略は、相当以前から始動した息の長い、また壮大なものであることを認識し、その対応に遺漏のないようにしなければならない。
 中国の海洋方面に対する戦略は、一言で表現すると「覇権的拡大戦略」であり、下記の4つを目標としていることは間違いない。
(1) 海洋方面における防衛線をより遠方に広げ、安全保障の緩衝地帯を拡大すること
(2) 黄海から東シナ海、南シナ海へ連なる中国近海周辺における資源エネルギーなどの海洋権益を排他的・独占的に確保すること
(3) 中国の周辺諸国を自国の意思や要求に従わせ、地域覇権を確立すること(中華的地域統合)
(4) 米国主導によって出来上がった現行の国際秩序(国際法を含むシステム)を覆し、自国に都合のいい国際秩序に置き換えること(世界的影響力の拡大)
 その中で、中国は、台湾を第一の「核心的利益」に位置付け、台湾が独立を宣言したり、外国勢力が介入した場合には軍事力で台湾を制圧することを公言するとともに、その能力保有を軍事力増強近代化の最大の理由としている。
 中国の国防費は、過去二十数年にわたって毎年概ね2桁の伸び率を記録し、過去5年間で2倍以上、過去20年間で約18倍の規模に拡大している。その結果、中国と台湾(両岸)の軍事バランスは、明らかに中国優位に傾き、台湾の軍事的抑止力は年々急速に低下している。
 中国の武力による台湾統一の最大の障害は、言うまでもなく米国の存在である。その障害を排除するため、中国は米国の軍事介入を阻止する「接近阻止・領域拒否」戦略を掲げ、米軍との直接対決にも勝利し得る能力を急速に構築しつつある。
日本は、ユーラシア大陸に沿ってその沖合(off-shore)を弧状に取り囲む島国で、大陸勢力の海洋進出を阻止するか、逆にその足場となる地政 学的要衝に位置しているため、中国が目指す戦略の主要な標的になっている。また、中国は、過去の歴史的経緯などから、明らかに日本を敵対する国家と見ると ともに、軍事同盟下にある日米両国を一体として捉えている。
 それがゆえに、台湾への武力侵攻に際しては、日本の国土並びにそこに駐留する米軍(基地)に対して軍事的脅威が及ぶのは避けられない。その際、尖 閣諸島などの領土問題や日中中間線付近の資源エネルギー(ガス田)問題など、対日問題の一挙解決を図る好機と捉える可能性が極めて高い。
 以上述べたように、中国にとって、「台湾統一」の優先度は最も高く、中国の国内事情、台湾の情勢そして米中間の駆け引きなどによっては、いつでも、そして一気に台湾有事へと傾く恐れがある。そして、台湾有事は、日本を巻き込んだ紛争へと拡大せずにはおかないのである。

中国による台湾武力統一(台湾有事)のシナリオ
中国は、平時から、非物理的手段であり、また非対称戦と位置づける「世論戦」「心理戦」そして「法律戦」の「三戦」を展開し、政治、外交、経済、文 化、法律などのあらゆる分野において「台湾武力統一」の環境条件を巧妙に作為している。そして、機を見て、物理的手段である軍事力の行使(戦争)に移行す る。
 中国による台湾に対する武力侵攻には、台湾向け、米国向け、そして日本向けのシナリオが用意される。それぞれのシナリオについて要約すれば、以下のように列挙することができる。
<対台湾シナリオ>
(その1)平時の軍事演習を装って展開した態勢から拡大・急襲し、台湾が実効支配する東沙群島、太平島、金門・馬祖島、状況によっては台湾本島に近い澎湖島までを一挙に軍事占領する作戦(対日シナリオの場合は、中国が問題化している尖閣諸島の占領など)
(その2)海上封鎖作戦
(その3)台湾の政経中枢および軍事インフラに対するサイバー攻撃やゲリラ・特殊部隊による破壊工作など、軍事力を限定的に行使して台湾内部を攪乱する作戦
(その4)台湾の海空軍基地、防空網、指揮統制・情報・通信システム、宇宙空間の人工衛星などを主要目標とした航空攻撃やミサイル攻撃などによって防衛力を物理的に破壊・無力化する作戦
(その5)陸上戦力による台湾への着上陸侵攻作戦
(その6)核による威嚇ないしは核攻撃
<対日米シナリオ>
(その7)日本に対する(その1)から(その6)に相当する作戦
(その8)自衛隊による国土防衛・シーレーン防衛作戦に対抗する作戦
(その9)日米共同作戦を阻止する作戦
(その10)米軍の介入を阻止する「接近阻止・領域拒否」作戦
 以上、10個のシナリオは、単独で、あるいは段階的に、状況によっては複合的または一挙に起こり得るものである。

台湾有事が我が国に及ぼす影響
 台湾有事は、「周辺事態安全確保法」(以下「周辺事態法」)と周辺事態に対応した「船舶検査活動法」が適用される事態であると考えられがちであるが、その認識は明らかに間違っている。
 周辺事態とは、我が国周辺地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態を指しているが、周辺事態関連2法は、当該事態における日米安保条約の効率的な運用に寄与することを主目的としている。
 例えば、朝鮮半島あるいは台湾において武力紛争が発生した場合に、米軍が行う諸活動に対して、周辺事態法は(1)適切かつ迅速な後方地域支援、 (2)後方地域捜索救助活動、(3)その他必要な措置を行うことを、また、船舶検査活動法は当該事態に対応して我が国が行う船舶検査活動実施の態様や手続 きなどを定めている。
 つまり、米軍は紛争地域の第一線において行動し、自衛隊はその後方の安全地帯に止まって米軍の必要とする諸支援を行うという構図である。
しかし、台湾有事は、周辺事態法が想定する周辺事態をはるかに超えて、シーレーンを含め、我が国に対して直接武力攻撃が波及する紛争に拡大し、防衛出動を下令しなければならない、いわゆる戦争状態に発展する可能性が極めて高い。
 台湾有事は、我が国の防衛から一定の間合いを置いた「対岸の火事」として傍観することのできない、日本が紛争当事国として巻き込まれる、まさに日本有事なのである。
 つまり、台湾有事は、台湾の攻防を焦点としつつ、日本に対しても武力攻撃が波及する事態であり、日本の国土防衛と周辺事態における日米共同行動を同時に遂行しなければならない重大かつ深刻な事態に陥るとの覚悟がなければならない。
 この際、集団的自衛権の問題解決が喫緊の課題として浮上することは自明である。
 台湾有事に、我が国はどう備えなければならないか?
 前記の台湾有事(台湾武力統一)シナリオに沿って、台湾有事が日本に及ぼす影響を明らかにしつつ、我が国の対応策についてその要点を述べる。なお、紙面の都合上、特筆すべき事項のみについて説明を加え、その他は項目のみに止めることとする。
1. 在外日本公館の警備ならびに在外邦人などの緊急引き揚げと在外日本資産の保全措置
 国交のない台湾には、(財)交流協会(本部は日本、台北・高雄事務所)が置かれ、駐台湾日本代表部の役割を果たしている。危機発生に際しては、す みやかにその警備を強化しなければならない。また、台湾には邦人約2万人余が在留し、日系企業約850社余が進出しており、その緊急引き揚げと在台日本資 産の保全措置が必要である。
 一方、交戦国になる可能性の高い中国には、香港を含め、在中国日本大使館(北京)など8カ所に在外公館がある。また、中国には邦人約12.7万人 余が在留し、日系企業約3万社弱が進出しており、同様の措置が必要である。特に、多数の日本人が広域に分散して在留していることから、緊急引き揚げのみな らず近隣諸国への国外退去などを含めた万全の対策が必要である。
2. 国土防衛の強化
 戦いの最終目的は、相手国の国土と国民を占領(支配)し、自国の意思を相手国に強要することである。台湾有事には、台湾への武力侵攻と同じ形態の 脅威が我が国にも及んでくる。特に、中国軍の陸上部隊は、尖閣諸島などの島嶼部はもちろん、沖縄を中心とする南西正面から九州・西日本に及ぶ地域を着上陸 侵攻によって占領する蓋然性が高いので、その排除を基本とした防衛力の整備強化が必要である。
(1)自衛隊共通(統合)
警戒監視体制および作戦情報能力の強化、宇宙空間およびサイバー空間の活用と保護、ミサイル防衛(MD)能力の向上、敵基地攻撃(反撃)能力の保持
(2)陸上自衛隊
戦力の飛躍的増強と近代化、予備役制度の拡充
(3)海上自衛隊
● 沿海防衛(沿岸防備)能力の強化
● 米第7艦隊との共同作戦能力、特に対潜能力の強化
 中国は、米軍の空母機動群や海上自衛隊のイージス艦などを標的として、近代的なロシアのキロ級潜水艦の導入や新型国産潜水艦の建造などによる攻撃型潜水艦戦力の増強を行っており、日米共同の観点からも、特に対潜能力の強化が必要である。
(4)航空自衛隊
領域の全般防空(MDを含む)能力の強化
3. シーレーン防衛の拡大強化
 台湾有事には、台湾海峡は完全に封鎖される。また、中国による対米「接近阻止・領域拒否」戦略の発動によって、我が国にとって最も重要なシーレーンである南西航路(ルート)ならびに南東航路(ルート)とも遮断される可能性が大きい。
 特に、中国は、対米戦略核戦力上、第二撃以降の報復攻撃兵器として中心的役割を果たす潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載原子力潜水艦 (SSBN)を建造中であり、その潜伏海域として南シナ海の聖域化(内海化)を目指している。したがって、有事、南西航路が通っている同海域を完全な支配 下に置こうとするのは必定である。
 現在、同盟国アメリカは、アメリカ西海岸からハワイを経てグアム、そしてハワイからオーストラリアを経てインド洋へつながる自由主義経済の大動脈と言えるシーレーンの防衛に当たっている。
 我が国は、この大動脈から日本に至る支線(南西航路と南東航路)について、日本から南方1000マイルのシーレーンを防衛する役割を担っている。 しかしながら、日本が担任する南西航路はフィリピンのバシー海峡まで、また南東航路は硫黄島とグアムの中間付近までで、米国が担任する大動脈ルートと連結 されていない空白ゾーンが存在する。
 我が国は、1000マイルシーレーン防衛から大動脈までの空白を埋めるとともに、例えば、南西航路より比較的安全な南東航路をグアム以東に迂回させるなど有事の新たな要求にも臨機応変に対応できるよう、担任区域の拡大と一層の能力強化に努めなければならない。
 この際、米国との戦略的融合を深化させるとともに、平素から両シーレーンの沿岸諸国との連携・協力関係を強化して台湾有事に備えることが重要である。

4. 日米安保の責任履行と機能の最大発揮
 台湾への武力侵攻に際して、中国が最も恐れるのは米国の介入であり、同盟下の日米が一体となって有効かつ強力に機能することである。
 同盟の成立・維持の要件は、(1)価値の共有、(2)利益の共有、(3)負担の共有、そして(4)リスク(危険)の共有である。しかし我が国は、 長年、「リスク(危険)の共有」を回避している集団的自衛権の問題を解決できていない。それが日米同盟を弱化させている最大の要因であり、中国が日米分断 を策する急所でもある。
 我が国は、すみやかに集団的自衛権の行使を認め、日米安保体制の片務性を解消して共同作戦能力の飛躍的向上に努めなければならない。また、米国に 全面的に依存している核戦略・核政策については、米国の中距離以下のミサイルが全面的に廃棄されている現実を深刻に認識し、我が国としてもその間隙を埋め る積極的な対応が必要である。
(1)集団的自衛権の行使の容認
(2)対核・ミサイル防衛の強化
●拡大抑止(「核の傘」)の信頼性向上、MD能力の向上、敵基地攻撃(反撃)能力の保持
●中・短距離ミサイル(核・通常)の開発配備
 米露は、東西冷戦の末期に「中距離核戦力(INF)全廃条約」を締結し、準中距離(1000~3000キロ)、中距離(3000~5500キロ) の弾道ミサイルと短距離(1000キロ以内)弾道ミサイルを全廃した。この中には、廃棄の対象となった巡航ミサイル・トマホークも含まれる。
 この結果、本地域における中距離以下の弾道ミサイルは、中国の独擅場となっており、日本全土からグアムまでがその脅威に晒されている。このハンディキャップは早急に補わなければならない。
 つまり、東アジア地域において中国と対等に渡り合える体制を構築するには、米国がINF全廃条約から離脱して中・短距離ミサイルを再配備するか、 日本が中国を射程に収めうる同等のミサイルを開発配備するか、いずれかの対応策が必要である。もし、現在、敵基地攻撃(反撃)能力を持たない我が国が、 中・短距離ミサイルを保有することになれば、中国のミサイル攻撃などに対する抑止・対処の有力な一手段となる。
(3)宇宙・サイバー空間の活用と保護(日米共同による)
(4)在日米軍基地の安定使用と有事における自衛隊と米軍の国内施設(空港、港湾など)へのアクセス権の確保
 中国は、武力攻撃当初に、自衛隊および在日米軍の海空軍基地、防空網、指揮統制・情報・通信システム、宇宙空間の人工衛星などを主要目標とし、航空攻撃およびミサイル攻撃などによってその物理的破壊あるいは無力化を図る。
 その攻撃によって、自衛隊・米軍は、一時期、その機能を喪失する恐れがあるので、平素の基地の安定使用はもとより、有事、現有基地などの被害をすみやかに復旧しつつ、国内の民間空港、港湾などへのアクセス権を確保できるよう諸施策を推進しておく必要がある。
(5)後方支援および後方警備の充実

日米台防衛協力の強化へ

 我が国にとっての台湾の重要性については、明治の初期、外務省顧問として登用した米国の元駐廈門(アモイ)領事で極東情勢に精通していたリゼンドル(フランス系アメリカ人、退役少将)の言葉に集約されよう。
 彼は、「北は樺太から南は台湾にいたる一連の列島を領有して、支那大陸を半月形に包囲し、さらに朝鮮と満州に足場を持つにあらざれば、帝国(日 本)の安全を保障し、東亜の時局を制御することはできぬ」(括弧内は筆者記)と建言した。この地政学的な安全保障観が、以降、我が国の外交政策および国防 政策を展開する基本となっていった。
 この台湾に、万が一中国が足場を固めるようなことになれば、日本にとっても、また米国にとっても事態は極めて深刻である。つまり、中国の海洋への 進出を阻止する防波堤の重要な一角が崩れて、津波が襲いかかるように、その粗暴で勝手気ままな振る舞いを許してしまうからである。
 米国は、中国との国交回復に当たって、「台湾関係法」を制定して台湾へのコミットメントを担保する英知と勇気そして先見性を有していた。しかし、我が国の場合は、米国と比較して、明らかに戦略眼や深慮遠謀に欠けていたとしか言いようがなく、極めて残念である。
 中国による台湾の武力統一を抑止するには、米国の存在が欠かせない。しかし、中国の台頭などによって米国の地位やパワーは相対的に低下しており、 米国の力に全面的に頼れる時代は終わってしまった。それを補うには、日米同盟を強化し、有効に機能させる一層の努力が求められる。
 同盟戦略本来の目的は、当代における最も強力な国の1つと軍事システムを統合して国家の防衛を強化することである。すなわち、ハードとソフトの両 面にわたって日本と米国の防衛力(軍事力)を統合・調整し、その緊密な共同行動によって軍事大国化する中国に対抗する図式を整えることである。
 そして今、我が国の防衛のみならず、東アジア/アジア太平洋地域の安全保障にとって、「米国+日本≧中国」の体制確立が急務となっているのである。
 我が国が目指すのは、あくまで台湾有事の抑止すなわち日本有事の抑止である。これがため、まず我が国は、長年にわたる防衛力の削減に断固として歯止めをかけ、その増大強化に転じて、基本的に独力で自国の防衛を全うできる自主防衛の体制を確立しなければならない。
 それは同時に、「不沈空母」としての日本の地政戦略的立場を不動にし、海空軍を中心とした米軍の前方展開体制を強靭に維持して、日米安保のもう1つの役割である極東の平和と安定の維持に寄与する途にも通じるのである。
 そして、高まる中国の脅威に日米が共同して対抗するに当たっては、同盟の更なる深化が必要だ。しかし、前項で述べたように、そのための共通課題は山積しており、問題解決を急がなければならない。
 そのうえで、現行の米台連携に日本を加え、日米台の防衛協力を強化する方向に発展させることができれば、中国による台湾の武力統一を抑制するのみ ならず、日本の防衛ならびに21世紀における世界の発展センターとなっている東アジア地域の平和と安定の増進に大きく貢献するのは間違いない。
 我が国は、世界そしてアジアの主要国として、恐れない精神と高い志をもってその責任を真摯に果たさなければならない。

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