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特定秘密保護法案を問う(1)江川紹子

日本国憲法が9条によって国をまたは憲法自身を守護する条項を持たない事は
大日本帝国憲法改正以後のもしくは敗戦後の国の在り方を擁護する制度を持たない
と解釈しても良さそうである。

筆者は強度に緊張を強いる内容の論議に終始している。
最初に言論を封殺すると言うが、現状のマスコミ報道が言論の自由を守護しているとは
考えにくい。

>「見ざる、言わざる、聞かざる」

とは、見えず、話せず、聞こえずと言い換えてもメデイアの現状に合致するであろう。
言論の封殺者とは誰を指し示す言葉であろうか。

>戦争ができる国へ-。

とは、ジャーナリストとも思えない言葉です。戦後世代の安倍晋三首相が戦争へ意気込んでいると
正気で申し上げる気とすれば、正気を失っているのは 江川紹子氏の方である。
日本国に対する危機は、3.11の時点が最高潮であったと感じる。
そのとき、ジャーナリズムは何を語ったのだろうか。

平和指向の平和主義者が最も平和の敵と写る時代は最も危険な時代でしょう。




特定秘密保護法案を問う(1)ジャーナリスト・江川紹子「流れは止められない」
2013年10月16日
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310160017/


江川紹子さん

 安倍晋三政権は秘密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案を今臨時国会に提出する予定だ。防衛や外交分野で指定した「特定秘密」の 情報管理をうたうが、広範囲の情報が秘密とされる可能性があり、情報の取得も処罰対象とすることから「国民の知る権利の侵害につながる」との指摘がある。 識者らに聞いていく。

 〈言論を封殺する。これが戦争への道の第一歩だった。人々は「見ざる、言わざる、聞かざる」を強いられ、真実を知らされないまま戦争へ駆り立てられた〉

 巻頭でそう記す「『言論』が危うい」は1987年、本紙連載をまとめて刊行されたものだ。

 当時、中曽根康弘政権が成立を目指した国家秘密法(スパイ防止法)をテーマにしたこの連載を、社会部記者として担当した。

 防衛や外交に関わる情報を秘密に指定し、漏えいした場合の罰則を最高で死刑とした国家秘密法。その本質が、特定秘密保護法案に二重写しになる。

 では、その本質とは。

 「民間人、いや国民を取り締まる法律です」

 そう言い切った。

 情報漏えいはいまでも国家公務員法、自衛隊法で罰せられる。

 新たな法案は、情報を漏らした公務員らの罰則を強化するものだが、それだけではない。情報提供を求める行為が、そそのかしたり、あおったりしたと見なされれば処罰の対象となる。

 強まる罰則、広がる処罰対象。その先に何が待つのか。


■言論の封殺
 連載では、戦中にスパイ容疑で逮捕されたキリスト教の司祭やさまざまな規制の中で記事を書かざるを得なかった新聞記者、横浜事件で有罪判決を受けた元編集者らを訪ねて回った。

 ある記者は言った。

 「ジャーナリストの自己規制が一番怖い」

 記者は、戦争未亡人が3人の子どもを育てるため、授産所で懸命に働いているという人情モノの記事を書いた。真珠湾攻撃から1年がたったころだ。哀れにも読める話だったためか、社内で「戦争批判に通じる」と、ボツになった。

 以後は「この手の記事は出せない話」と自分で判断するようになり、同じような話を書かなくなった。「お上からの制約以上に自粛して、どんどん小さくなってしまった」

 最初はささいな変化かもしれない。しかし、世に出回る情報の「幅」が狭まるということは、国民の知る権利が損なわれるということだ。

 そして、その幅は権力の側により恣意的に操作されることは歴史が教える。

 政府に不都合な情報が表に出てこなくなる。政策を判断し、政府を批判するきっかけがなくなる。つまり言論が封殺される。「報道の自由や表現の自由の基盤である『国民の知る権利』が保たれていなければ、民主主義が危機に瀕する」

 そうして戦時下の報道や言論は戦意高揚をあおり、国民の楽観を生み、日本は戦争へと歩を進めていった。


■実感なき世代
 国家秘密法案が議論されていたころはまだ「言論の封殺」を経験した人々がいた。「感覚的に『大変だ』と感じて、たくさんの人が反対の声を上げた」。結果、法案は廃案になった。

 それから30年余。「戦時中の空気」を語れる人はほとんどいなくなった。

 反対に、戦争の名残すら感じたことのない世代が増えた。「感覚というのは理屈に勝る。『戦争になる』と想像力に働きかけても、実感は湧きにくい。理屈で考えるのはとても難しい」

 メディアの危機感も薄い、と憂う。「戦争の生々しい記憶が残っていたあのころと今とは、全く雰囲気が違う」

 戦前戦中といまでは社会情勢は異なる。

 でも、本当に違うだろうか。

 〈公益及び公の秩序に反してはならない〉
 自民党の改憲草案を読んでがく然とした。個よりも全体、つまり国を優先させることを強調している。

 そして戦後レジーム(体制)の脱却を掲げ、憲法改正と集団的自衛権の行使容認に意欲を見せる安倍首相と、その政権は高い支持率を保つ。

 「日本は安倍首相が望む一つの方向に向かっている」

 戦争ができる国へ-。

 その流れの中に、特定秘密保護法案がある。

 「安倍首相も戦争をやりたいと思っているとは思わないが、戦争という最後の選択肢がないのと、あるのとでは全然違う。戦争を回避しようと尽くされるはずの努力がなされなくなる」

 実感のない世代が戦争という選択肢に向かい始めたとき、報道や言論は異を唱えられるだろうか。

 「それはもう、簡単には止められません」

 静かに、また言い切った。


◇えがわ・しょうこ
 1958年、東京都生まれ。神奈川新聞社会部記者を経て、フリージャーナリストに。えん罪や災害、新宗教などの問題に取り組む。95年、オウム真理教報道で菊池寛賞を受賞。55歳。


■特定秘密保護法案の要旨
【目的】
 国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿が必要な情報の漏えいを防止し、国の安全を確保する。

【特定秘密の指定】
 防衛や外交、テロ活動防止などに関する事項のうち、公になっておらず、秘匿が必要な情報を閣僚らが「特定秘密」に指定する。指定の有効期間は5年以内で更新が可能。

【特定秘密の提供】
 閣僚らは、この法律と同様の秘密保護を講じている外国政府や国際機関に必要に応じて特定秘密を提供できる。衆参両院や各委員会が秘密会などにより公開しない場合や、刑事事件の捜査、公判維持のため裁判所にも提示できる。

【取扱者の適性評価】
 特定秘密を取り扱う公務員や、行政機関との契約により特定秘密を保有する民間事業者らが情報を漏らす恐れがないかどうか適性を評価する。適性評価では、 外国の利益を図る目的で兵器の輸出入を行う特定有害活動やテロ活動との関係、犯歴、精神疾患、飲酒の程度などについて同意を得た上で調査する。家族の国籍 などの個人情報も調べる。

【国民の知る権利】
 法適用に当たって国民の知る権利に資する報道・取材の自由に配慮する。

【報道の自由】
 取材活動に関して法令違反や著しく不当な方法と認められない限りは罰しない。

【罰則】
 特定秘密を取り扱う者が外部に情報を漏らした場合は最高で懲役10年。過失で情報を流した場合は2年以下の禁錮とする。(1)人を欺く、暴行、脅迫 (2)窃取(3)施設への侵入(4)不正アクセス-などの行為で特定秘密を取得すれば10年以下の懲役。秘密の漏えいを唆し、扇動した場合も5年以下の懲 役とする。

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