「普通の国」になろうとする 日本の新戦略




「普通の国」になろうとする 日本の新戦略

WEDGE 2月18日(火)12時21分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140218-00010000-wedge-int

 1月10日付仏ル・フィガロ紙は、日本は、中国の台頭に対抗して、戦略態勢を強化して、「普通の国」になろうとしている、という解説記事を掲載しています。 

 すなわち、中国に対して、自らの地位を守るため、日本は、新戦略ドクトリンを策定した。

 平和主義は受け身であることではない。特に、同盟諸国が我々を必要としている時はそうである。日本は、戦略態勢を強固にし、軍事的に行動する能力を強化しつつ、そのようなメッセージを発出している。

 安倍総理は、「日本は二流国家でもなければ、二流国家にもならない」と述べた。その背景には、中国に比して、日本が衰退し、地位が下がったとの強迫観念がある。「アベノミクス」で経済に活を入れてから、安倍総理は、今度は、「日本再生」の2つ目の柱である外交・軍事力に着手した。その目玉が、「国家安全保障戦略」(NSS)である。

 既に幾つかの具体的行動がなされ、その1つが、昨年12月末に設立された国家安全保障会議(NSC)である。そして、日本政府は、10年続いた防衛費の削減を止め、今年は、0.8%増加の予定である。

 尖閣諸島をめぐる中国との対立を背景に、日本は、空と海の監視機能や水陸両用の能力を高めようとしている。

 後は、微妙な法律的問題が残る。長期的には、総理にとって、憲法の「改正」が望ましいとしても、まずは、それを「再解釈」することが課題である。安倍は、「積極的平和主義」と言う概念を持っている。安倍の側近達によると、それは、軍国主義の復活ではなく、単に「普通の国」になることである。

 日本は、世界の「平和に貢献する者」になりたいと思っている。そのためには、「集団的自衛権」が行使できなければならない。やや難解な言葉であるが、そこには、外国で同盟国を助ける権利が含まれる。国分良成防衛大学校校長は、「PKOで日仏両軍が隣同士で行動しているとしよう。もしフランス軍が攻撃を受けても、それを援けることを日本の憲法が禁止していたら、日本は信頼のおけるパートナーと言えるだろうか。それは普通ではない」と説明した。同校の神谷万丈教授は、「国際社会は、日本が世界の安全保障により積極的な役割を担うことを期待している。日本は長い間、小切手外交しかしていないと批判されてきた」と言う。

 日本は、国内でも海外でも、慎重に歩を進めている。国内世論は、憲法改正に批判的なので、安倍は、その予定を遅らせた。また、先月成立した特定秘密保護法案は、激しい論争を呼んだ。東アジアでは、韓国と中国は、日本の「再軍備」ないし「ナショナリズムの復活」を警戒している。そのことから、安倍は、慎重な姿勢で、日本の「平和志向」は決して変わることはない、と繰り返し強調した。このような行為も、最近、安倍総理が、祖国のために命を捧げた兵士を称える聖域である靖国を参拝したことから、上手く行かなかった。中国及び韓国は、それを挑発と捉えた。更に、中国は、日本が東南アジア諸国、豪州及びインドとも様々な分野で協力する外交を推進していることを、懸念している、と論じています。

* * *

 内容的に新しいことはありませんが、淡々と日本の安全保障政策を、客観的にまとめた記事で、好感が持てます。例えば、靖国神社について、英米の論調では、A級戦犯を合祀したWar Shrine(戦争神社)としているのを見かけることがありますが、上記記事では、祖国に身を捧げた兵士を祀るSanctuaire(聖なる場所)と表現されています。

 同記事は、初の日仏「2+2」(外交・防衛閣僚会議)が開催された時期に合わせて掲載された点で、意義があります。同時に、ル・フィガロ紙は、「日本は平和ドクトリンを放棄しない」という岸田外務大臣のインタビュー記事を、大きな写真付で掲載しました。

 上記記事の読者が付したコメントにも興味深いものがありました。掲載直後、2人のフランス人がコメントしています。1人は、「何も新しいことではない。いつも中国が安定を揺るがし、軍拡している。日本には、同じ事をする権利がある」と述べていました。もう1人は、「『中国に対して自らの地位を守る』とは、数年前に台湾人から聞いた言葉である。今日、もはや、誰も幻想を持たない。日本人もそうだろう」と書き込んでいました。

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