「国民の憲法」英訳版発表

憲法記念日を控えて、「国民の憲法」英訳版発表とは、誠にめでたい。



【「国民の憲法」英訳版発表】
起草委員会委員長 田久保忠衛・杏林大名誉教授
2014.5.1 05:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140501/plc14050105000006-n1.htm
 ■独立国として常識的な内容
 日本の文化や科学に関する翻訳ものは少なくない数が外国に伝わっているなかで日本人の、日本人による、日本人のための憲法、つまり産経新聞の「国民の憲法」要綱が英文化される意義はすこぶる大きい。
  ゲイシャ、フジヤマ式の薄っぺらな理解ゆえの拒否反応だと考えるが、「憲法改正」と一言耳にしただけで「危険な動き」と取り違える外国人がいかに多いか。 愉快でない思い出は数々ある。冷戦後の1993年に、読売新聞が「憲法調査会」を設けて日本国憲法の検討を開始した。これに呼応するかのように自民党と民 社党(当時)、労組では連合などがいっせいに懇談会や研究会を設けて憲法を見直す一種のブームが起きたことがある。
 たまたま、この年の2 月にブトロス・ガリ国連事務総長が訪日し、日本は経済力に見合った国際貢献をすべきで、「必要ならば憲法を改正すべきだ」と語った。ニューヨーク・タイム ズ紙はよほど危険だと感じたのだろう。93年2月21日付の社説で、あたかもGHQ(連合国軍総司令部)が被占領国を叱りつけるかのように「日本には平和 を選ばせろ」との見出しで、「憲法第9条は米国が日本に口述筆記させたものだ」「日本国民はその趣旨を肝に銘じたはずだ」と書いた。人種的偏見でもあるの かと感じさせるようなこの手の誤解はいまだに残っている。
 「国民の憲法」は、日本の国のかたちが歴史的に見て、米国のような共和制ではな く、立憲君主制であることを明記している。短い前文には、明治天皇が日露戦争に際して詠まれ、昭和天皇が対米戦争決定の御前会議で奉唱された御製「よもの 海 みなはらからと 思ふ世に など波風の たちさわぐらむ」、7世紀初頭に聖徳太子がつくられた十七条の憲法の一条にある「和を以って貴しと為し」が盛 り込まれている。少しでもいいから外国人にこの含蓄をわかってほしい。われわれは自由主義、民主主義、人権尊重、法治などの価値観を米国など民主主義諸国 と共有し、「独立自存の道義国家」を目指す。国際常識に照らして独立国としてまっとうな内容ばかりだ。
 日本を不当に貶(おとし)める悪意 から、「慰安婦」「靖国神社」「ナショナリズム」などの言葉が歪曲(わいきょく)されて国際的な宣伝に今使われている。「国民の憲法」英文は、より大きな 意味で日本がいかなる国か、何を目指しているかを世界に伝えるだろう。国内でも実りある改憲論議につながるよう期待している。(寄稿)





【「国民の憲法」英訳版発表】
海外の目
2014.5.1 05:00 (1/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140501/plc14050105000007-n1.htm
 「国際常識に照らして独立国としてまっとうな内容ばかり」。起草委員会委員長の田久保忠衛杏林大名誉教授がこう説明する「国民の憲法」要綱は、海外の目にどう映るのか。英訳版をもとに各国の識者に聞いた。
                   ◇
 □米戦略国際問題研究所 マイケル・グリーン上級副所長
 ■「国防」規定は全て適切
 第3章の「国防」に関する規定は全て適切で、第16条の「軍の保持、最高指揮権」は自衛権の規定であり、非常にいい。
 提案もしたい。私が起草委員であれば、個別的自衛権とともに、国連憲章に基づく集団的自衛権も明記するよう提案するだろう。例えば「集団的自衛権は認められている」などの一文を、加えてはどうか。
 15条には、「国際平和を誠実に希求し」「国が締結した条約および確立された国際法規に従って、国際紛争の平和的解決に努める」とある。
 現行憲法9条にある、日本が平和を愛する国家であることを示す部分は残した方がいい。そのうえで日本は軍、個別的自衛権、集団的自衛権を保持するとすれば、平和を愛するという意思と、必要な軍事力を保有し同盟国と協力するという意思の、2つのバランスがとれる。
 また、個人的には「軍」より「国防軍」という表現の方が好ましいと思う。自衛、防衛というニュアンスがあるからだ。
 第2章12条は「日本国の領土は、日本列島、付属島嶼および法律で定める島嶼である」と規定した。その問題意識には敬意を表する。
 ただ、世界各国の憲法のうち、約9割は領土に言及していない。憲法に領土の規定を盛り込むと、外交を束縛してしまう可能性があるのではなかろうか。政府が国の文書などの中で、領土を明確に宣言することが適切であると思う。

□英エクセター大 ジェレミー・ブラック教授
 ■国際的プレーヤー 条件
 欧州諸国は第二次大戦以来、政治的、経済的な変化に応じて憲法を幾度となく変えてきた。米国も、憲法が発布された18世紀末以降、修正を重ねてきた。
 英国では9月の住民投票でスコットランドが独立すれば、日本と比べものにならないほどの激変を経験することになる。2つの国家の“憲法”を書き直さなければならなくなるからだ。
 「憲法は半ば恒久的に変えてはならない」という考え方は世間知らずの幻想だ。日本が敗戦下で書かれた憲法を自由で平等な国際秩序の一員となった現状に合わせて改正するのは主権国家として健全で合理的なことだ。
 今回の草案は、伝統に根ざした天皇制という日本の例外主義と、現代の政府が必要とする安全保障問題への対策を合理的かつ慎重に融合させている。
 これが施行されれば、現在の英国に近い内容の法体系となる。国連憲章や国際法を順守し、人権擁護と民主主義の価値を明記し制約を設けながらも国益を守る原則的な姿勢を強調している点も英国に近い。これは、日本が国際的なプレーヤーとなる条件が整えられることを意味する。
  改憲反対派とは、議論となるだろう。だが、その議論こそが民主国家の証しであり、国民的な議論を経て改正されるからこそ意味がある。日本は、複数政党が互 いに牽制(けんせい)し合う成熟した民主国家だ。対立を避け一致団結をよしとする国民性はあるが、それを乗り越える意義はある。
 □韓国・国民大 玄大松教授
 ■時代錯誤の感 否めない
 「国民の憲法」は前文で、日本が「天皇を国のもといとする立憲国家」であり、国家目標として「独立自存の道義国家を目指す」とうたっている。産経の憲法観を如実に示している。
 第1章で「天皇は、日本国の元首である」と規定し、天皇の権能を強調している。天皇が、統治権を総覧する明治憲法の元首に戻ったように思うのは過度の心配だろうか。皇位継承を「皇統に属する男系の子孫」としたのも時代錯誤の感を否めない。
 領土、主権、国旗・国歌を規定した第2章は、国家主義の色彩が強い。第3章「国防」では「軍の保持」を明確にしている。戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認という現行の「平和憲法」の要素を全て破棄していることが気になる。
  日本の観点で現在の国際情勢をみると「座して死を待つ」ような状態だと思えるのかもしれないが、世界最強水準の軍隊である自衛隊を持っているのも事実だ。 日本帝国の負の遺産や「あの戦争」の清算が未解決の現状で、産経の案通りに改正されれば、北東アジアで「安全保障のジレンマ」が生じ、軍拡競争が加速する ことは間違いない。
 英誌エコノミストによる国家の平和度で、日本よりも平和な国はアイスランド、デンマーク、ニュージーランド、オースト リアくらいだ。国家主権の一部をあえて放棄し、不戦と非武装を明文化している平和憲法は、よい面での足かせになって日本の針路を正している。現行日本国憲 法は誇れる日本の資産だ。
□インド政策研究センター ブラマ・チェラニー教授
 ■国民へのショック療法
 インドでは憲法は第二次大戦後、インド 人によって起草され、約120回も修正されてきた。日本の憲法は米国人に押しつけられたもので、しかも一度も修正されていない。奇妙なことだ。時代遅れの 憲法を修正するのではなく新憲法にするようなことは急ではあるが、提案は国民へのショック療法となるので、正しいことだと思う。
 国防につ いては、どの国も領土を守る権利がある。内容に異議を唱える点はない。それが普通の民主主義国家だ。中国や韓国は反対するかもしれないが、彼らは何にでも 反対する。韓国には新たなナショナリズムの波、中国には反日感情を利用して自らの正当性を維持しようとする共産党の都合などがあるからだ。
 天皇は日本人の精神的支えだが、現行憲法はそれを表現していない。国の永続性と国民統合の象徴と位置づけるなどした点は正しい。ただ将来、男子が生まれない危険性を考えれば男系に限るべきではない。
 緊急事態の条項はインド憲法にも存在するが、論争にもなっている。1975年にインディラ・ガンジー首相が、政権維持のためにこの条項を乱用したと批判されているからだ。緊急事態の宣言を可能にするのはよいが、首相の権力行使を監視できるきちんとした機能が必要だ。
 修正については、議員の賛同は現行憲法と同じ3分の2以上のままとし、国民投票を不要とした方がよい。国民が問題をよく理解していない場合もあるのではないか。
□中国社会科学院 湯重南研究員
 ■北東アジア 軍拡競争に
 このような内容の憲法が成立した暁には北東アジアで新た な軍拡競争が起きる可能性が高い。アジアを侵略した歴史を否定しようとする勢力は今、日本政界での影響力を拡大している。安倍晋三首相による靖国神社参拝 で、中国や韓国など周辺国で不信感が高まる中、平和憲法を否定する動きは、日本をますます孤立させるだろう。
 「国民の憲法」の「自衛隊を軍隊にする」「天皇は国家元首」「国旗・国歌を尊重する」などは保守色が強く出ている。「戦前の日本に戻ろうとしている」と言われても仕方がない。
 最近の中日関係の悪化で、中国国内で日本脅威論を唱える人が急増しているが、私たち日本研究者はそれを否定している。「日本には平和憲法があるから、軍国主義の復活はあり得ない」というのが最大の論拠だ。平和憲法がなくなれば、何も言えなくなる。
 この憲法案の文面を読む限りは、すぐ戦争につながる内容ではない。
 しかし、「戦力の不保持」を明記した現行の平和憲法でさえ、歴代の自民党政権によって骨抜きにされ、日本で再軍備が実現している。産経新聞が主張する内容の憲法が成立すれば、拡大解釈によって侵略戦争でも何でもできるようになる。
 中国や韓国にとって80年前の悪夢がよみがえることを意味する。私たちは日本に侵略されないために、軍備を強化するしかない。軍拡競争が始まれば地域の緊張が高まり、経済発展も言っていられなくなる。


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
プロフィール

tourokurad

Author:tourokurad
FC2ブログへようこそ!

最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
政治・経済
615位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
政治活動
286位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR