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【正論】 「棍棒持って静かに話す」国たれ 防衛大学校教授・村井友秀


村井友秀、防衛大学校教授の「棍棒持って」と言う話の棍棒とは何かに興味が引かれた。

村井教授の論文の中から、棍棒の一節が出てくるのは、「自衛隊の海外派遣と日中関係」と言う
論文、(2008年01月04日)である。
http://www.rips.or.jp/research/ripseye/2008/rips-eye-no83200814.html
記事は、優れた中国分析とお見受けする次第である。
自衛隊が持つ打撃力とその効果が、棍棒の実態であろうと推察する。

ここで述べられているのは、自衛隊を良く運用して外交成果に結びつける事の重要性を
説いていると考える。2008年の中国分析と今日の分析とでは、日本国政府の政治感覚の違いが
明るい印象をかもしだしている。

昨今の集団的自衛権 騒動の左翼が展開する自衛隊の犠牲論は、村井教授には存在しない。
だからと言って、村井教授が自衛隊に対する熱情にはいささかも変動がない事が、知れるであろう。

自衛隊に対する見方が、国民の中でも受け入れられた証拠と感じる。
それだけに、脅威の存在に対する国防の概念は重要である。
日本の進む道を考える好機が、到来したと感じる。


【正論】
「棍棒持って静かに話す」国たれ 防衛大学校教授・村井友秀

2014.7.29 03:14 [正論]
村井友秀n1


 6 月初旬にマレーシアで開かれた安全保障の国際会議で複数の東南アジアの研究者からこんな質問を受けた。「日本では、戦後の日本の軍隊は戦闘で1人も死なず 1人も殺したことがないと自慢している人がいると新聞に書いてあったが本当か。もし本当ならば、1人も敵を殺したことがない軍隊がわれわれを助けに来てく れても実際に戦えるか不安だ」と。
 《中国軍は戦える軍隊なのか》
 一般的に、実戦で使用され血に塗(まみ)れた兵器は戦場で 確実に作動し安心して使えるというのが兵士の常識である。また、現在アフリカで平和維持軍として最も期待されているのが実戦経験に富んだルワンダ軍であ る。それでは、南シナ海や中印国境で発砲を繰り返す中国軍は戦える軍隊なのか。
 軍事力行使に積極的な政府には特徴がある。第1は軍事政権で、対外問題解決のため軍事力を行使することに積極的である。
 第2に独裁政権は、選挙を通じた国民の支持ではなく警察や 軍により国民を服従させて権力を維持するから、政権を強化するため国民を取り締まる警察や軍を強化しようとする。ただし、国民が反発して政権への支持が減 る可能性がある。ジレンマを解決するために独裁政権は外敵をつくる。
 政府が「今、外敵が国民を攻撃している。国民を守るため警察や軍を強化しなければならない」と説明すれば、軍や警察の強化に国民は同意する。国内抑圧の手段としての軍事力強化に正当性を与えるための対外戦争がある。
 第3に民族主義の鼓舞である。民族主義とは一民族一国家を求めるイデオロギーであり、それが実現していないと認識する政府や国民は、人権や福祉よりもその実現を優先させる傾向がある。
 第4に自然災害、病気、飢饉(ききん)、政治的対立など戦争以外の原因で多数の死者が発生する国では、人命に対する意識が薄弱化する。戦争に反対する最大の理由は多数の人命の喪失だから、人命に対する意識の薄弱化が広がれば戦争に反対する動きも薄弱化する。
 以上の観点から中国政府の好戦性を分析する。まず、共産党と軍は一体化しており、軍事問題では軍が主導権をとっている。党最高決定機関である政治局で軍事問題が議論されることはない。
 《拝金主義で戦意は高からず》
 次に、中国は、普通選挙も独立した司法制度も存在しない独裁国家だ。「中華民族の偉大な復興」をスローガンにしているように、党を支えるイデオロギーは、民族主義(愛国主義)である。
 さ らに1950年代末の「大躍進」や60年代末の「文化大革命」では、飢餓や政治的迫害で数百万人から数千万人の死者を出した。毛沢東が、核爆弾で数億人の 中国人が死んでも中国は戦争に負けないと豪語した背景にあったのは、人命に対する意識の薄弱化である。毛沢東時代の中国は、個人よりも全体を重視する(軍 隊的)戦時共産主義国家であった。
 もっとも、状況は変わった。一人っ子政策が徹底された結果、数年前から生産年齢人口も減少に転じ、中国でも人命意識の薄弱化に歯止めがかかりつつある。
 さらに、現在の中国は、国家指導層から地方役人に至るまで汚職が蔓延(まんえん)した「拝金主義国家」であり、軍のトップであった前中央軍事委員会副主席も収賄で党籍を剥奪されるありさまである。
 軍隊と利己主義、個人主義、金儲(もう)けは両立しない。軍隊の本質は利他主義だ。「戦友は助けよ自身は死すべし」ということである。金儲けに熱心な軍人が、戦友を助けるために自らの命も顧みないということはないであろう。
 以上見た通り、中国は軍と一体化した共産党が支配する独裁国家であり、民族主義を鼓舞する好戦性の高い国だ。ただし、国家の戦う力は「兵器の数や性能」と「戦う意志」を乗じたものだ。
 「兵器の数や性能」が巨大でも「戦う意志」が低ければ、国家の戦う力も小さくなる。現在、中国では「兵器の数や性能」は急速に増強されているが、経済発展の中で増殖する金儲けに熱心な軍人の「戦う意志」は高くない。
 《良い国の規範は反軍国主義》
 なお、政権の性格は軍国主義、反軍国主義、平和主義に分け られる。軍国主義は、平和的手段よりも軍事的手段を優先する。反軍国主義は平和的手段を優先し、軍事力行使を最後の手段とする。平和主義とは絶対に軍事的 手段を使わないという意味であり、政策というより宗教的信念である。
 すぐに軍事力を振り回す軍国主義はむろん嫌われる。他方、侵略に対して無抵抗の平和主義も、犠牲を厭(いと)う臆病で無責任な行動だとして、多くの国から軽蔑され信用されない。現代世界では反軍国主義が良い国の規範である。
 資源小国である日本が、激動する国際社会の中で生き残って いくためには、国際協力が不可欠である。軽蔑され信用されない国と協力する国はない。日本が進むべき方向は、多くの国が良い国だと考える「棍棒(こんぼ う)を持って静かに話す」反軍国主義の国である。(むらい ともひで)



「自衛隊の海外派遣と日中関係」村井友秀
2008年01月04日
http://www.rips.or.jp/research/ripseye/2008/rips-eye-no83200814.html
0村井友秀n1


防衛大学校教授・図書館長
村井友秀
 現在、日本の国際的影響力は縮小しつつある。一方、日本の隣国である中国の経済力は急速に増大し、経済力に比例して国際社会における中国の政治的影響力 も急速に拡大している。中国の経済力が日本を追い抜くのは時間の問題である。中国では「一つの山に二匹の虎はいない」という
 中国は日本が国連の常任理事国になり中国と対等な立場になることに強く反対している。また、東シナ海では尖閣諸島の領有権を主張し、日本の抗議を無視し てガス田の開発を進めている。尖閣諸島を日本が実効支配できるのは日本の海上自衛隊や海上保安庁の能力が中国の海軍力を上回っているからである。しかし、 現在中国は急速に海空軍力を増強しつつある。東シナ海をめぐる制海権・制空権は早ければ5年後、遅くても10年後には現在と全く違う状況になっている可能 性がある。海軍力で中国に劣るベトナムやフィリピンは南沙諸島を失った。
 中国指導部は現在、「平和的発展論」を主張している。しかし、経済発展が挫折し、中国共産党政権に対する国民の不満が高まれば、日本軍国主義を非難する 「愛国主義教育」によって支えられている共産党政権は、対日関係を緊張させることによって共産党政権に対する国民の不満を逸らそうとする可能性がある。脅 威は軍事力と軍事力を行使する意図の掛け算であり、意図は政治的決断で変わり得る。また、軍事的に優位になれば、軍事力を使用した際のコストは小さくな り、軍事力行使が効果的かつ魅力的な選択肢となる。中国は日本のように軍事力行使を躊躇する国ではない。
 東アジアが安定するためには日中関係が安定していなければならない。「鉄砲から生まれた」中国共産党政権は軍事力に敏感であり、日中関係を安定させる重 要な要素は日中間の軍事バランスである。外交の基本は「棍棒を持って静かに話す」ことに尽きるが、これまで日本は棍棒を持たずに静かに話すことに徹してき た。しかし、話をするだけの日本に国際社会は関心と尊敬を失いつつある。これからの日本がアジアで影響力を保持しようとするならば、目に見える棍棒を持つ 必要がある。中国は軍事力の政治的活用に積極的であり、 国連の平和維持活動や合同軍事演習を頻繁に行っている。
 各種の調査によれば、戦後日本が国際社会から評価されてきたポイントは経済援助であった。したがって、これからの日本も影響力を保持するためには経済援 助に頼るべきであるとする意見がある。しかし、日本の経済力が伸び悩む一方、中国の経済力が急速に増大し、購買力平価による中国のGDPが日本のGDPよ りも大きくなった状況の中で、経済援助競争をすれば中国が勝者となる可能性は十分ある。もはや、経済援助は日本だけの得意技ではない。かつて日本は日露戦 争における日本海海戦の勝利によって大艦巨砲主義に囚われ、その後環境が変わったにも拘らず日米戦争においても戦艦大和を建造し、時代遅れの戦いを強行し て敗北した。これからの日本も影響力を保持するためには昔のように経済援助だけに頼るべきであるとする考えは、飛行機の時代に巨大戦艦に頼った「大艦巨砲 主義」と同じである。
 これからの日本は何が日本の得意技であるかを合理的に考えなければならない。一つの選択肢は自衛隊を派遣して国際平和に貢献することであろう。能力から 見ればNATO諸国に出来ることは自衛隊にも出来る。国際社会も病気を治すためには内科医と外科医が必要であり、経済援助という内科的措置だけでは解決で きない問題も多い。現在、国際社会が緊急に必要としている援助は、紛争という大出血を止める外科医である。一旦平和が破れた場合には、実力で戦闘を阻止し なければならない。紛争地域において紛争の主体と手段と原因を除去する活動は、犠牲を伴う困難な任務ではあるが国際社会に尊敬される行為である。東アジア の安定と名誉ある国家を望むならば、日本は国際的な平和維持活動に積極的に関わることを真剣に考えるべきである。

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