コラム:中国の記録的な石油製品輸出、原油相場にネガティブ


石油の価格が暴落して世界最大の輸入国中国がどの様に対応しているか。



Column | 2015年 12月 10日 16:23 JST
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コラム:中国の記録的な石油製品輸出、原油相場にネガティブ
http://jp.reuters.com/article/column-china-oil-exports-idJPKBN0TT0LU20151210?sp=true
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 12月9日、中国では今年、戦略的な石油備蓄増加を主な背景として、原油輸入量が拡大すると考えたくなる。だがそうした考えは、石油製品輸出の高まる重 要性を見過ごしている。写真は遼寧省にある油田。昨年6月撮影(2015年 ロイター/Sheng Li)

Clyde Russell
[ローンセストン(豪州) 9日 ロイター] - 中国では今年、戦略的な石油備蓄増加を主な背景として、原油輸入量が拡大すると考えたくなる。だがそうした考えは、石油製品輸出の高まる重要性を見過ごしている。
備蓄量は原油市場にとって重要だ。なぜなら、備蓄は最終的には需要に寄与し、実際に消費されることが前提とされているからだ。
だが中国で精製され、燃料として輸出されている石油はそうではない。同国の石油製品はインドやシンガポール、中東など他国で精製された製品と競合し、それらを凌駕している。
中国の11月原油輸入量は日量665万バレルだった。1─11月の輸入量では前年同期比8.7%増となり、日量661万バレルの水準に押し上げている。
一方、11月の石油製品輸出量も過去最高の410万トンを記録し、初めて400万トンを超えた。
1トン当たり8バレルというBPの換算係数に基づくと、これは日量約109万バレルに相当する。
今年1─11月で見ると、製品輸出量は前年同期比18.6%増の3183万トン、日量では約76万2400バレルとなる。

さらに重要なのは、製品輸出量は年央から増加傾向を示していることだ。1─5月は月平均234万トンだったのに対し、6月以降は毎月300万トンを上回っている。
このことは、中国の原油輸入量の増加分が、単に精製された石油燃料として輸出されることを意味している。とりわけ、中国政府による政策転換を考慮すればなおさらだ。
<政策転換で輸出加速>
中国政府は、小規模の独立系製油所(ティーポット)に日量約70万バレルの原油輸入枠と、同時に燃料の輸出枠も認め、原油・燃料取引の自由化を進めている。
今年1─11月で見た場合、原油輸入量の日量661万バレルから製品輸出量の同76万2400バレルを引くと、中国国内で使用される原油輸入量は同585万バレル程度となる。
一方、昨年1─11月の原油輸入量から製品輸出量を引いた額は日量約546万バレル。要するに、中国国内で消費される原油量は今年、日量約39万バレル増加したことを意味する。
この日量39万バレルには、戦略備蓄や商業在庫も含まれており、2015年は日量約12万5000バレルになるとみられている。
こうしたことが示しているのは、実際に消費される原油需要の増加は控えめであり、減速する中国経済の全体像に一致するということだ。
石油市場への影響を見ても、中国の製品輸出が急増したことを考えれば、原油輸入量の堅調な伸びは見かけほど強くはないだろう。
また、原油輸入量から製品輸出量を引いた実勢ベースでは、2015年の需要の伸びはわずか7.1%で、原油輸入量だけで見た場合の伸び率8.7%をはるかに下回る。
11月の製品輸出の内訳が明らかになるのはまだ数週間先だが、10月のデータに基づくと、輸出増加の大半は軽油と灯油だった。
今年1─10月の軽油輸出量は49%増の日量約13万バレル。一方、灯油の輸出量は14%増(日量約24万7000バレル)だった。
中国政府の政策転換を鑑み、このように製品輸出の堅調な増加傾向が続くと考えるなら、他のアジア諸国の輸出指向型の製油所は競争激化を覚悟しくてはならないだろう。そうなれば、利益が圧迫される恐れがある。
原油輸出国は中国の輸入量増加から恩恵を受けるかもしれない一方で、全体的な需要が伸び悩むなか、他のアジア諸国の輸入量の停滞もしくは落ち込みを目にすることになるだろう。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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